目を見て会話すれば「原石」を見極められる

荒削りな「原石」をどう見極めるか。新卒にしても、中途やパート、アルバイトにしても、やはり採用時の面談が重要になります。

私が玉子屋に入る以前、採用は会長の仕事でした。

身内を褒めるのは気が引けますが、会長の人を見る目は本当にすごい。面談で目を見て言葉を交わせば「コイツはものになる」とか「口だけで言っている」とわかると言います。私自身、人事を動かすときに会長の助言に随分助けられました。

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「子どもの頃に命からがら大陸から引き揚げてきたり、田舎でいじめられたり、ガキ大将で子分を引き連れていた経験がものを言っている」と本人は言いますが、社員は皆、不思議がる。

どういうタイプがものになるのか、一概には言えないそうです。見た目だけは判断できない。一見、反抗的な態度に見える人もいれば、表面上はイエスマンを演じる人もいる。

ただ、ものになる「原石」の多くに共通することがあります。それは何かの理由でドロップアウトしたとしても、親や親戚あるいは周りの誰かから愛情を受けているということ。

特に上に立って人を使う仕事ができるかどうかは、子どもの頃に誰かしらの愛情を受けていることが大きな鍵で、「そういう人は他人に対する寛容さ、許容範囲を持ち合わせている」と会長は言います。

「素直な心」「感謝する気持ち」「他人のせいにしない」

一方で、「コイツは使えない」というタイプにもある程度の共通点があるとか。代表的なのは何でも他人のせいにするタイプ。

たとえば「前の会社をどうして辞めたのか」と聞いて「自分なりに一生懸命やったが、評価してもらえなかった」などと弁解するようでは見込みが薄い。この手のタイプには常に言い訳がついてくるからです。

自分レベルで頑張るのではなく、他人が要求するレベルで頑張る。そうでなければ世の中では通用しません。

私が入社した1997年以降、採用も会長から私が引き継ぎました。会長の眼力には及びませんが、私なりに面談で重視していたポイントは三つです。

「素直な心」、「感謝する気持ち」、そして先代譲りの「他人のせいにしない」。

学校の成績などは参考にならないからほとんど見ません。