「夫婦とは家族とはこうあるべき」という思いのズレ

そして家族での過ごし方や両親の関係は「家族」「夫婦」のイメージのベースとなっています。気づかないうちに自分も親と同じように振舞っている人も、逆に親のようになりたくない、と抵抗する人もいます。それぞれが抱く「夫婦、家族としてこうありたい」「こうあるべきだろう」というイメージのずれは、夫婦仲を悪くする原因となり得るのです。生い立ちを比較してみると、「こんなに違うのか」と驚く夫婦は少なくありません。思い描いている夫婦像、家族像が違えば、相手に求めるものも違ってくるわけですから、そこから不満が生じるのも当然と言えます。ここに子育てに関する考え方が入ると、ずれはさらに大きくなります。

夫の前では親のことを悪く言えない妻も多い

漫画:水谷さるころ、監修・コラム:山脇由貴子『子どもにキレちゃう夫をなんとかしたい!』(幻冬舎)

勢いでなく慎重に考えて結婚した場合でも、互いの生い立ちをじっくり話し合った、という夫婦は決して多くありません。親との関係を話した、という夫婦はさらに少ないのではないでしょうか。女性だと、母親との関係が悪かった、父が怖かったなどの思いを抱えていても、「親のことを悪く言うなんて性格が悪い女と思われそうで、夫には言えなかった」という方が非常に多いです。

自分自身の生い立ちを知ることは自己理解につながり、夫婦が互いの生い立ちを理解することは、日々の感じ方や傷つき方への理解を深めます。すると、配慮しなければならないポイントも見えてきます。だからこそ、生い立ちを聞くことが重要なのです。

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