キムタクドラマはいつも通りの構図

6位 飯豊まりえ 特殊能力が微妙で暗すぎるヒロイン

「オクトー ~感情捜査官 心野朱梨~」(日テレ)3点

飯豊まりえは感情の色が見える特殊能力の持ち主と聞いて、面白そうだと思ったのだが、真相にたどり着くまでが結構大変。スケッチブックにクレヨンで色を塗るも、その後は想像力と推理力っつう、やや限定的能力だ。

両親を殺害され、自分をかばった姉が感情を失った状態で入院中という悲惨な過去を背負っているのだが、重さが伝わってこず、ただただ暗いヒロインという印象。ヒロインの特性として、何かひとつでも惹きつけるフックが欲しかった。

5位 木村拓哉 希死念慮強い不機嫌な中年の負の影響

「未来への10カウント」(テレ朝)木村拓哉 3点

写真=tv asahi「10count」公式サイトより

初回、ピザをデリバリーした木村拓哉がチンピラあんちゃんたちにオッサン扱いされてボコられるのを観て、ちょっと安心した。ようやくやさぐれてしょぼくれた中年の憂いを演じられるようになったのかと。

ところが、なぜか教員免許をもっていて、焼き鳥屋もやっていて、伝説のボクサーで、とてんこ盛りの経歴。不機嫌で無愛想な中年を盛り立てるために、まわりの大人がみんなバカな役回りに見えてしまう構図がつらい。要するに定番、キムタク通常運転。

尻すぼみ展開の秋元ドラマ

4位 佐々木希・遠藤憲一・斉藤由貴 タチの悪いコメディに悪ノリ

「YouTuberに娘はやらん!」(テレ東)3点

2022年は秋元康原作ドラマが各局を席巻、名優が次々に巻き込まれていくのを観て忸怩じくじたる思い。特徴としては、切り口と第1話は面白くても、たいていが尻すぼみになっていく。これはその代表例。

YouTuberとテレビマンの間で揺れる女性とその家族をコミカルに描くのだが、父親役の遠藤憲一と母親役の斉藤由貴の悪ノリが肌寒くて。佐々木希は相変わらず平坦を貫いている。共感が乏しいヒロイン、悪ノリの両親、ドラマではなくコントに。

作品のワーストは「ちむどんどん」

トップ3に行く前に、どうしても触れておかなければいけない案件がある。反省会が話題になった朝ドラ「ちむどんどん」である。役者に罪はないものの、ご都合主義でわやな展開に朝ドラファンが不満ののろしをあげまくった。

特に、黒島結菜・竜星涼・仲間由紀恵・大森南朋の家族が問題でね。大叔母に拾ってもらったわりに生意気な次女、大言壮語で夢見がち、詐欺に引っかかっては金をせびるクズニーニー、親戚に金を借りて赤貧洗うがごとしの生活なのに、馬鹿息子に何度も金を融通する母親、幼少期に手癖の悪い長男を叱らなかった父親。

サブタイトルは「ふがいない家族」「迷惑家族」でもある。点数は3点なのだが、普通にランキングに入れるのは違う気がして。実質1位といってもいい。別枠でラズベリー作品賞を授けたいほどの破壊力だった。

ということで、トップ3へ。