受験生にとって「成績」は聖域

一番良いのは、受験勉強に不用意に首を突っ込まないこと。多くの家の中で受験に一番詳しいのは、間違いなく現役の受験生です。自分の努力、自分の計算、自分のペース。これらを無遠慮にかき回されることこそが、受験生が一番恐れることなのです。

重ねて言いますが、肯定否定にかかわらず、干渉されないことこそが一番の幸せとなります。肯定されても「この成績をとり続けなければ」とプレッシャーになりますし、否定されれば「俺の勉強の苦労なんてみじんも分からないくせに」と反感を買います。勉強については何も言わず、何も触れず、自分から言ってきた時だけ「うん、うん」と静かに話を聞いてもらえることが、一番子供たちのためになることだと考えてください。

実際に、成績や志望校について全く口出しされなかったことを「良かったこと」として挙げた東大生が多くいました。親御さんからすれば、心配になって聞きたくなってしまうわが子の成績事情ですが、これは受験生にとっては聖域に等しいもの。あまりみだりに立ち入らず、ただ外から見守ってあげてください。

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受験生が家族からされてうれしかったこと

それでは、受験生がされてうれしかったことはいったい何だったのでしょうか? これはかなり多岐にわたる回答が出ました。ここではその一部をご紹介させていただきます。

●お風呂やご飯の時間を自分のスケジュールに合わせてくれた
●本番当日の動きを全部任せられて自分は勉強に専念できた
●不安になるたびに『絶対大丈夫』と声をかけてくれた
●落ち着かない時にハグしてくれた

これらの中でもやはり目を引いたのは、「自分のスケジュールに合わせてくれたこと」という回答でしょうか。お風呂やご飯など生活するうえで必須の事柄ではありますが、これらが時間によって決まっていると、子供たちにとっては生活のかせとなります。

受験生の中には「自分の決めたスケジュール通りに勉強したい」という人も多くいます。そうしたタイプの学生には、やはり自分の立てたスケジュールに合わせて生活リズムを刻んでくれるということが、一番の励ましになったようです。

僕自身、両親にとても自由にさせてもらったことを大変感謝しています。生活の上で義務化されていたのは夕飯が必要かどうかを伝えることと、家に帰るおおよその時間を連絡することくらいで、あとは僕が必要と思ったことならすべて理由を聞かずに了承してくれたのでした。また、遅い時間になっても帰宅に合わせてご飯を用意してくれるなど、極力僕が家のことに脳のリソースを割かないように、さまざまな面で気を使ってくれていたように思います。