昭和の風情を感じられた「田都の顔」
第1位 東急電鉄8500系
東京急行電鉄時代の1975年、当時工事中だった新玉川線(現・田園都市線)、営団地下鉄(現・東京メトロ)半蔵門線の直通用として登場した。
1969年に登場した8000系に比べ、運転台の位置を高くしたほか、先頭車前面の方向幕の左に種別幕、右に運行番号表示器を設置、その外側には急行灯(当時、急行等の運転時は点灯し、通過駅で注意喚起を図っていた)、先頭車の前面にコーポレートカラーの赤帯を巻いた。
1976年には鉄道友の会から「技術的に集大成された車両」として、ローレル賞を受賞。1991年まで400両投入され、長年にわたり“田園都市線の顔”として親しまれた。2003年3月19日から東武鉄道との直通運転を開始し、埼玉県にも足を延ばす。
車内は天井が高く、広々とした半面、冷房の効きがいまひとつ。扇風機を併用すると、ちょうどいい涼しさになる。アナログチックなところが昭和の風情を感じさせた。
現在は青帯のBunkamura号のみ在籍。すでに2023年1月での定期運用終了が発表されており、48年の歴史に幕を閉じる見込みだ。