万博開催終了後に姿を消す

第8位 Osaka Metro 2代目20系

大阪市営地下鉄時代の1975年、初代20系が10系に改称され、「20系」は1度途絶えたが、9年後の1984年に2代目が登場。我が国では2番目、地下鉄では初のVVVFインバータ制御車(現代の省エネ車両)である。

Osaka Metro 2代目20系
筆者撮影
2代目20系は2014年に試作車が廃車。2022年に入ると、廃車が本格化した。

中央線に投入され、1985年4月5日の深江橋―長田間の延伸開業、1986年10月1日の近畿日本鉄道(以下、近鉄)東大阪線(現・けいはんな線)の開業に伴う相互直通運転に備えた。

2代目20系は1984年から1989年にかけて中央線用7編成、1989年に谷町線用9編成がそれぞれ投入され、冷房サービスの向上を図った。1990年に新20系が登場したため、96両で増備が打ち止めとなった。

その後、近鉄けいはんな線の開業に備え、谷町線用の9編成がすべて中央線に移り、“生え抜き”の7編成とともに、制御装置の更新、各車両に車椅子スペースと旅客情報案内装置の設置、最高速度を70km/hから95km/hに引き上げるなどの改造が行われた。

後年は“中央線の顔”として親しまれたが、2022年に関西万博アクセス用のリリーフ車両30000A系(大阪・関西万博終了後は谷町線に転属)、新しい中央線の顔となる400系が相次いで登場した。残念ながら2代目20系は関西万博アクセス車両の対象から外れており、開幕前までにはお役御免の模様だ。

Osaka Metroでは“昭和の薫り”が漂う最後の車両なので、今のうちに堪能してみてはいかがだろうか。

地下鉄「名物車両」たち

第7位 名古屋市営地下鉄3000形

鶴舞線(上小田井―赤池間)の第1世代車両として1977年に登場。車体は鋼製の骨組とステンレスの外板を組み合わせたセミステンレスで、当初は4両編成だった。

上小田井駅へ進入する、鶴舞線用3000形3120編成による豊田市行き列車
上小田井駅へ進入する、鶴舞線用3000形3120編成による豊田市行き列車(写真=MaedaAkihiko/CC-BY-SA-4.0/Wikimedia Commons

1993年8月12日の全通を機に、6両編成化することになり、8編成を分解して増結車に転用された(増結車の一部は3050形に挿入)。これに伴い、23編成から15編成に減少し、不足分は第2世代車両の3050形で補う。

2011年に第3世代車両のN3000形が登場すると、3000形の廃車が進み、現在は1編成のみ在籍。めぐり会うのも至難のワザ的な車両と化している。

第6位 都営地下鉄5300形

都営浅草線の第2世代車両として1991年に登場。北総開発鉄道(現・北総鉄道)との相互直通運転開始に伴う輸送力の増強、ならびに第1世代車両5000形の置き換えも兼ねた。

都営地下鉄5300形
筆者撮影
5300形の最高速度は、ラストナンバーの第27編成のみ120km/h、ほかは110km/h。

軽量化に優れ、塗装の必要性がないアルミ車体ながら、アーバンホワイトをベースに、レッドとダークブラウンの帯を巻く。車内も明るさが強調され、ロングシートも着席区分を明確化したバケットタイプが採用された。

2017年に第3世代車両5500形が登場すると、廃車が進み、現在は1編成のみ在籍。いつ引退してもおかしくない状況だ。

泉岳寺―西馬込間の区間運転列車だと乗車チャンスが高いものの、押上―泉岳寺間、相互直通運転を行う京浜急行電鉄、京成電鉄、北総鉄道では、“運がイイ”ときしか現れない。