「スーパーひたち」でお馴染みの車両も

第5位 JR東日本651系

JR東日本が初めて手掛けた新型車両で1988年に登場。車両形式の百の位の6は交流電化と直流電化の両方を走行できる交直流電車、十の位の5は急行形だが、JR東日本は特急形に充てた。

JR東日本651系
筆者撮影
651系に乗るならグリーン車がおすすめ。2人掛けと1人掛けの組み合わせもあり、豪華な雰囲気を醸し出す。

1989年3月11日に常磐線のエル特急〈スーパーひたち〉でデビュー。最高速度130km/h、タキシードボディーと称される洗練された顔立ちと車体で、国鉄特急形車両とは“隔世の感”をまざまざと魅せつけた。2002年12月1日から停車駅が多い特急〈フレッシュひたち〉にも充当された。

現在は交流機器の撤去や耐雪強化などの改造を施した651系1000番台として、高崎線系統の特急〈スワローあかぎ〉〈草津〉、臨時特急〈水上〉に転用されたが、2023年3月17日をもってお役御免。翌日のダイヤ改正で波動用(臨時列車や団体列車用)に転用され余生を過ごすのか、それともこのまま引退となるのかが注目される。

日本で唯一の短距離交通システム

第4位 スカイレールサービス200形

1998年8月28日、広島短距離交通瀬野線(営業上、「スカイレールみどり坂線」と案内)が開業。ロープウェイと懸垂式モノレールの技術を融合した「短距離交通システム」が初めて実用化された。1999年には鉄道友の会ローレル賞を受賞した。

スカイレールサービス200形
筆者撮影
200形は「開業」と「廃止」の両方を味わう車両となった。

車両は小ぶりで定員は25人。丘陵地に開発されたみどり坂団地の足という、“住民のための鉄道”で最大260パーミルの急勾配を労せず走る。

しかし、短距離交通システムはここだけという特殊性から、部品の調達が困難なうえ、赤字も重なり、2023年12月末に廃止される予定だ。

ベスト10のなかでは容易に乗車できる車両なので、沿線住民に迷惑をかけないかたちで特殊な鉄道の醍醐味だいごみを楽しんでいただきたい。