業務妨害罪に問われることも
業務妨害罪は、文字どおり人の業務を妨害する犯罪で、①偽計業務妨害罪、②威力業務妨害罪、③電子計算機損壊等業務妨害罪の3種類があります。
業務を妨害する手段が「虚偽の風説の流布」や「偽計」の場合が①偽計業務妨害罪、「威力」の場合が②威力業務妨害罪です。
「虚偽の風説の流布」とは事実と異なる噂を広めることを言い、「偽計」とは人を欺罔、誘惑し、あるいは他人の錯誤または不知を利用する行為のことを言います。
「威力」とは、人の意思を制圧するに足りる勢力を示すことです。
ただし、「偽計」と「威力」の区別は微妙なことも多いです。
「業務」とは、人がその社会生活上の地位に基づいて反復継続して従事する仕事や事務や活動のことを言い、収入を得るもの(仕事)に限られません。
「妨害」は、業務を妨害するに足りる行為(偽計・威力)がなされていればよく、現実に業務が妨害されたかどうかまでは問われません。
③電子計算機損壊等業務妨害罪は、簡単に言えば、コンピュータによって遂行される業務を妨害した場合に成立する犯罪です。
無断転載を防ぐことは難しい
インターネット上でイラストや漫画を投稿している人の中には、個人による無断転載はもちろんのこと、無断転載サイトなどによる相次ぐ無断転載に頭を悩まされている人も少なくないでしょう。本などの物理的な媒体と異なり、デジタルデータはコピーをして拡散することが簡単で、無断転載に歯止めをかけるのは難しいという問題があります。
ネット上に拡散されてしまって消せなくなってしまった個人情報、写真や文章などを「デジタルタトゥー」などと言うこともありますが、イラストなどの著作物についても、一度インターネット上に投稿したものは、残念ながら、知らぬ間に誰かに無断転載をされることは覚悟しなければならないのが現状です。
最近では、無断転載された場合にそのことがすぐわかるように、イラストに気づかれないように“透かし”を入れるなどして、無断転載を抑止する試みも見られます。無断転載に対する技術的な解決策が見つかるまでは、無断転載の予防としてはこのような地道な手段に頼らざるをえないでしょう。