漫画や映画のネタバレはどこまで許されるのか。弁護士の小林航太さんは「大まかなあらすじ程度なら許容されるが、詳細なストーリーを説明すると権利の侵害にあたることがある」という――。(第4回)

※本稿は、小林航太『オタク六法』(KADOKAWA)の一部を再編集したものです。

スマホを使用する女性
写真=iStock.com/oatawa
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●著作権法 第2条(定義)
1 この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
⑦の2(公衆送信) 公衆によって直接受信されることを目的として無線通信または有線電気通信の送信を行うことをいう。

なぜ写真やイラストの「無断転載」をしてはいけないのか

「自分がSNSに投稿した写真をbotアカウントに勝手に再投稿された」「海外のサイトに自分の作品が勝手に掲載されていた」……これらは一般に「無断転載」と呼ばれますが、著作権者の許諾を得ずに複製した著作物を、さらに著作権者の許諾を得ずに発信する行為であり、複製権および公衆送信権の侵害にあたります。

公衆送信権とは、テレビ放送やラジオ放送、有線放送、インターネットなど、有線・無線のあらゆる通信手段によって、著作物を公衆に伝達(送信)する権利のことを言います。ここでいう「公衆」は、不特定または多数人のことを指します。たとえば、マンションの住人のみに配信するような場合も公衆にあたります。

テレビ放送などのように、同時に公衆に向けて送信するのが通常の公衆送信ですが、公衆からの求めに応じて自動的に行われる送信も、公衆送信(自動公衆送信)にあたります。たとえば、パソコンのウェブブラウザでサイト上の画像(著作物)を見る場合、サイトにアクセスをすると、サーバー上に保存されている画像のデータが自動的にアクセスしたパソコンに送信されて、ウェブブラウザに表示されるというしくみになっています。このようなしくみにより送信することも、公衆送信に含まれます。

またこの場合、公衆送信を可能にするためには、サーバーに著作物をアップロードしておく必要がありますが、このようにアップロードをして送信を可能にすること(送信可能化)じたいも、公衆送信権として保護されています。