「具体的な行動を起こしている」はわずか4%
調査結果を見ると、「具体的な行動を起こしている」人はわずか4%で、「これから起こしたい」が4%、「関心はあるが具体的な行動は起こしていない」人が51%なのだ。
41%を占める「全く関心がない」層を合わせれば、実に92%もの人々において、「サステナブルファッション」の優先順位は極めて低いといって良い。
実際、消費者庁が21年に行った「令和3年度『サステナブルファッション』に関する消費者意識調査」が、環境省の主張とは正反対の結果となり、これを裏付けている。
要約すると、
①日本のマス市場を形成する消費者は、「価格が安いこと」と「デザインがよいこと」の2点が圧倒的で、それぞれ購買要因の70%以上となっている、
②「社会や環境に配慮したファッションか」に対しては2%未満であり、意識の高い10、20代でも3%であった。
これでは、企業がコストの高い環境配慮型アパレル製品を売るのは難しいだろう。
「サステナブルファッション」を重視し、価格度外視で購入する消費者は2%しかいないのだ。
アパレル産業は環境破壊の「悪の元凶」か
私は、アパレル産業による環境破壊について詳しく調べたいと思い、さまざまな海外のドキュメンタリーを見たのだが、不思議な事実に出くわした。
まず、どれもアパレル商品の生産が、環境破壊を繰り返し、また余剰在庫の焼却が地球の温度を上昇させているということでは一致している。
だが、「アパレルが2位」というなら、「環境破壊、悪の元凶の1位」はなんなのかということが、ドキュメンタリー作品によって異なるのだ。
あるドキュメンタリーでは畜産業による牛のげっぷや糞が、急激な気温上昇を引き起こし、別の作品では航空機、あるいは、自動車産業などが「1位」であるなど、「さらり」とかわしているのだ。