自由と自己責任のセットは、グローバル化に伴って輸入された欧米的な価値観である。狩りに出かけていた欧米人と農耕民族の日本人は、根本的に向き/不向きが異なっているように思う。

村全体で一丸となって力を発揮し農作物を育ててきた日本人は、ほどほどの村の掟にしばられながら、村の長の意見に従ってきた。拡大する自由にまだまだ慣れていないのだ。

「風通しのいい会社」ほど「自由」が尊重されていると思う。しかし、まだまだ未熟な部下に、過度な「自由」を与えたら逆に潰してしまう可能性があることも、心に留めてほしい。「適度なしばり」を含めたコミュニケーションを怠った組織のシステムは、おそらく痩せていくだろう。

とはいえ「自由」と「自己責任」が尊重される流れを止めることはできないだろうし、日本人も自由と自己責任のセットにいつか慣れていくと思う。しかし、いまはまだ過渡期で、ほどほどの束縛がちょうどいい、といった時期ではないだろうか。

部下をムダなストレスから守り、組織を一段強くするためにも、いま一度「自由」を見直してみる「自由太り」のダイエットをお勧めしたいと思う。

(構成=中沢明子)