英熟語を「理屈」で覚えるために必要な“本来の意味”

ただし、直訳に当たって必要になるのが、前置詞と基本動詞の知識です。

たとえば、stand by「傍観する・味方する・待機する」という熟語があります。

これはbyを「~によって」なんて考えていたら解決できず丸暗記になります。

実はbyの原義は「近くに」です。

そのためstand byの直訳は「そばに立つ」で、「現場のそばに立つ」→「傍観する」、「精神的にそばに立つ」→「味方する」、「舞台のそばに立つ」→「待機する」(stand byをそのまま読めば「スタンバイ」)になるわけです。

このby本来の意味「近くに」を知っていれば、ほかにpass by「通りすぎる」なども納得できるはずです。

また、基本的な動詞の意味も大事です。たとえばtakeは「取る」という意味です。take inという熟語には「理解する・見物する・だます」という意味があります。take inの直訳は「中に取る→取り入れる」です。

「頭の中に取り入れる」→「理解する」、「旅行の予定に取り入れる」→「見物する」、「自分のズルイやり方に相手を取り入れる」→「だます」となるわけです。

いつまでも単語帳と向き合っていても成績は上がらない

単語帳を1冊こなしたら、とりあえず単語は終了です。

「2冊やったほうがいい」と言われるかもしれませんが、受験生には「やらなきゃいけないこと(熟語・英文・英文解釈)」が山ほどありますので、そちらを先にやる必要があります。単語は早い段階で見切りをつけるべきです。

関正生『改訂第2版 大学入試 世界一わかりやすい英語の勉強法』(KADOKAWA)

単語は永遠のテーマですので、どんなに覚えても知らない単語は出てきます。ただ、この「知らない単語が出てくる」という現実に向き合わなければなりません。

いつまでも「単語が苦手で……」と言いながら、単語帳から離れたがらない受験生がたくさんいます。その気持ちはわかりますが、受験は時間が限られた中での戦いです。いつまでも単語ばかりやっていては勝てません。早く1冊を仕上げて、次のステップに進まないといけません。

目安としては、どんなに遅くても「高3の8月まで」です。この時期までに覚えた単語で勝負していかないといけないんです(でなければほかのもっと大事なことが終わりません)。

そして、熟語は9月までに完成させるべきです。高3の後半は「単語がわからなくても意地でも長文を読み切る」という精神力を養う必要があるからです。まちがっても、受験直前まで単語帳から離れられない、ヤワな受験生になってはいけません。

6回やって一度頭に入れた単語は「定着した」と言えますが、さすがに一生忘れないわけではありませんので、その後「月1メンテナンス」はしてください。1000個の単語といえども、6セットもやっていれば、1時間くらいでチェックできます。月に1回は総確認をして万全なものにしてくださいね。

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