電氣餅を信じる
エンタメ業界でバリバリに働いていた一人の女性が餅に心を奪われ、縁もゆかりもない店に弟子入りし修業して、自分の店としてオープンした、というのは非常に興味深いストーリーです。
このような形で近親者ではない人が、歴史ある会社や店舗を事業承継するというパターンはこれからのひとつの形として増えるかもしれません。
実際に和菓子業界は小規模零細企業も多く、職人が幅を利かせている世界ですので、近親者こそ継がないというケースも多いのです。思い切って外に目を向ければ、このような事業承継もあるということです。
鈴木さんは今日も、早朝から仕込み、つきたての餅を使って手作りで大福を作っています。手間はかかりますが、「このような本物商品で、おいしくて健康的なものを世の中に広く紹介していきたい」(鈴木さん)との思いからです。
経営拡大への意欲は旺盛です。すでに「餅のサブスク事業」を開始。さらに今後5年以内に「海外に電氣餅を持っていきたい」と考えているそうです。
これからのテーマは、単なる餅の専門店という枠を超えて、餅文化をどこまで提案できるかでしょう。古き良きものを時代にあわせて変えていけるか。あいと電氣餅店の挑戦に注目したいと思います。