抱え込んで孤立しないで

3点目は、周りに理解者をつくることです。くれぐれも、自分1人だけで寄り添いすぎたり、つらさを1人で抱え込んで孤立したりしないようにしてください。

時にはパートナーから離れて、ストレスを解消し、心穏やかになれる場所や時間を持つことも大切です。特に、自分が疲れていたり、体調がすぐれない時などは、パートナーの行動が余計に腹立たしく思えたりするものです。イライラが爆発してケンカをしても、なかなか解決の糸口は見つかりません。病院やカウンセリング、NPOや、同じ境遇にある人たちの団体などをどんどん活用してほしいと思います。

一緒に住んでみないとわからない

最初に説明した通り、発達障害の特性の表れ方は非常に個人差がありますし、それが発達障害によるものかどうかは、一緒に生活してみないとわからないところがあります。例えばADHDの「関心があるものに対して没頭してしまう」「衝動性が強い」といった特性は、恋愛で発揮されると、相手への猛アタックになることもあるので、アタックされる側は「相手は情熱的で魅力的な人だな」と受け取ったりします。それが、「恋愛中は良かったけれど、結婚して一緒に生活するのは大変」に変わる可能性もあるわけです。

まずは、発達障害の特性を知り、本人に悪気があるわけではないことを理解してほしいと思います。そして、そうした特性に合わせて、本人も自分もできるだけ困らないよう、嫌な思いをしないよう、工夫することだと思います。お互い歩み寄ることが理想ですが、どうしてもこちら側の歩み寄りが多くなってしまうかもしれません。頑張りすぎないよう、逃げ場も持っておいてください。

(構成=池田純子)
関連記事
【関連記事】締め切りの日に1割もできていない、仕事を丸ごと忘れる…部下の発達障害を疑ったらどうすべきか
「沖縄県人を侮辱している」朝ドラ「ちむどんどん」史上最低レベルの視聴率に県民が挙げた"A級戦犯"の名前
もっと真摯に沖縄を掘り下げるべきだった…「ちむどんどん」が朝ドラ史上最悪の評判になっているワケ
男だって男でいるのがつらい…「ガラスの地下室」に閉じ込められた弱者男性の切実な叫び
ダメな上司ほど最初に使ってしまう…「部下との1対1」で避けたほうがいい"ある言葉"