ナッツはどれだけ食べても血糖値が上がらない

間食したいときにいちばんおすすめなのが、ナッツです。ナッツの主な栄養素は、脂質です。アーモンド、くるみ、落花生、マカダミアナッツなど種類によって多少異なりますが、おおよそ5~7割が脂質で、残りは炭水化物とたんぱく質が半々程度という構成です。

浅野拓『健康寿命を延ばす「選択」』(KADOKAWA)

なおかつ、ナッツの炭水化物は、食物繊維の占める割合が多いので、ほとんど血糖値は上がりません。実際、ナッツを食べたあと、フリースタイルリブレのグラフを見ると、血糖値はほとんど上がっていません。

また、ナッツの脂質のほとんどは、不飽和脂肪酸です。LDLコレステロールを下げ、動脈硬化を抑える効果があるのが、不飽和脂肪酸です。肥満の原因は糖質であり、脂質をっても糖質ほど太らないことがわかっています

約12万人を対象にナッツの摂取と死亡との関連を調べた研究では、ナッツを食べない人に比べて、毎日ナッツを食べる人の死亡リスクは20%低いことがわかりました。がん、心臓病、呼吸器疾患の病気別に見ても、ナッツを食べる人のほうがそれぞれの死亡リスクは低かったのです(注)

(注)N Engl J Med. 2013 Nov 21;369(21):2001-11.

ナッツに関してはいくら食べても血糖値を上げませんので、量も、食べるタイミングも気にする必要はありません。罪悪感なく食べていただいてOKです。私自身も、間食したいときにちょっとつまむというよりは、意識的に食べるようにしています。昼食などがとれず、夕方極度にお腹が空いて素焼きのアーモンドを一袋丸々(450kcal以上)食べてしまったりすることもありますが、全然太りません。

間食としてそのまま食べるだけではなく、食べ応えがあってそれなりに満腹感が出るのでサラダにトッピングしたりしてボリュームを出すのに使うのもおすすめです。

食後数時間後のおやつには高カカオチョコもいい

ナッツよりも、もう少し甘いものが食べたいときにおすすめなのが、高カカオのチョコレートです。最近では、「カカオ72%」「カカオ86%」などと書かれた、カカオの含有量の多いチョコレート商品が増えています。

写真=iStock.com/victoriya89
※写真はイメージです

チョコレートに含まれるカカオポリフェノールは抗酸化作用を持ち、血圧低下やHDLコレステロールの増加といった血管に良い働きもあります。ただし、食べる量と食べるタイミングは選ぶこと。血糖値が上がり始めている食後すぐに食べると、さらに血糖値を上げてしまうので、食後2~3時間経って血糖値が下がった頃に間食として食べましょう。

量は薄くて小さいブロックであれば5枚以下を目安に。そのぐらいであれば、食べても血糖値はそんなに上がりません。ただ、もし数枚では止められず、次々と手が伸びてしまうときにはまだ糖質中毒から抜け切れていません。一旦、甘いものとは距離を置きましょう。1カ月ほどは間食をゼロにすることをおすすめします。

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