報告資料を減らし、できるだけ口頭で済ます

やめてもらったものといえば、もうひとつ、私に報告するためだけに作られた資料があります。カンパニートップの私への報告や連絡、相談があることは当然ではありますが、何か報告するためだけに丁寧な紙の資料が作られていたのです。

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しかし、私に報告するためなら、口頭でも十分なケースも少なくありません。それなのに、時間をかけて、きれいな資料を作る必要がどこにあるのか。

私の資料を作るために使った時間は、顧客価値につながるのかどうか。業績を上向かせるのかどうか。

聞けば、かつては上司に報告する資料を作るために、ミーティングが行われていたこともあったそうです。そしてできあがった資料は、とても大量で網羅的なものになる。

これには理由がありました。

部下からすれば、上司から否定をされたくない。だから、上司がどんな反応をしたとしても、答えられるような資料になっているわけです。

逆に言えば、単純化はできるだけしない。それを否定されたときには、困ったことが起きてしまうからです。

一方で上司が何かを求めると、部下は2つ用意する。念のための案も必要になるからです。しかも、その部下に部下がいて、指示を出すと今度は部下が4つ用意しなければならなくなります。必要な資料は、どんどん膨れ上がっていくということです。

できるだけ社内資料は作らない。口頭で済む相談は口頭で済ます。上司への相談は、網羅的な内容でなく、単純化する。これで、時間的なロスをなくせます。