「良い嫉妬」と「悪い嫉妬」の分かれ道

2種類の嫉妬の分かれ道になるのは、相手の「どこを見るか」だ。自分と相手を比較して悔しく思い、そこで相手の短所・弱みを探して安心すると、「なんで上にいるんだ、気に食わない」と不平不満を口にして、グチを言って一時的なストレス発散で済ませてしまう。そして、「どうせ自分なんて」と諦めモードでイライラだけが積み重なり、停滞する。このように相手の短所を探す「減点思考」に陥ると、「悪い嫉妬ルート」に乗って停滞しやすい。

それに対して、相手の長所・強みを探して認める「加点思考」を選択すると、「良い嫉妬ルート」に乗ることができる。嫉妬対象の長所を探し、「すごい!」と偏見なく受け入れる。「追いつこう!」「追い越すぞ!」と奮起し、そのための戦略を練る。そして戦略を実行し、挑戦していく。つまり、加点思考によって良い嫉妬を抱き、挑戦と成長へ結びつけられるようになるのだ。

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上にいる相手には、何かしらの成功理由がある。ビジネスで成果をあげているライバル(競合他社・同僚)も、ヒットしているライバル(ブランド・商品・サービス)も、「成功に理由あり」だ。その理由を明らかにするには、まず相手の長所を探す加点思考が重要になる。

自分(自社)とライバルを比較し、悔しく思い、ライバルの長所を正当に評価して認めたうえで、追いこすための戦略を作成・実行する。これが「良い嫉妬ルート」の成功プロセスだ。「良い嫉妬」を抱くことで、個人も組織も向上心を持ち、分相応や現状維持を良しとせずに、目標を更新して挑戦し続けることができるようになるのだ。

停滞している企業はライバルに対して十分に良い嫉妬ができていない

停滞している企業や商品は、じつは「ライバルに対して十分に良い嫉妬ができていない」状態にあることが多い。良い嫉妬は、ライバルの本当の強みを明らかにして、人・組織・ビジネスに自己変革を促し、ヒットを生み出す原動力になってくれる。ライバルへの良い嫉妬からヒットを実現した成功事例について見てみよう。