審査する金融庁はより厳しくなっている

遠藤正之『金融DX、銀行は生き残れるのか』(光文社新書)

しかしながら、みずほ銀行のシステム障害発生直前の2021年2月22日、2022年度の開業への延期を発表した。延期の理由はシステム開発の遅れといわれている。銀行は免許業種であり、新銀行の審査は金融庁で行うため、システム障害の影響でより厳格な審査が行われることも想定される。したがって、新銀行の設立はさらに遅れる可能性も否定できない。

第三のデータ活用事業については、2020年11月、みずほ銀行は「Mizuho Insight Portal(略称Mi-Pot)」という事業を開始している。これは、2020年5月の銀行法改正で、銀行でもデータ活用ビジネスが可能となったことを受けた事業である。

みずほ銀行が蓄積してきた各種データを個人が特定できない形の統計データに加工して、年代や性別で年収水準の特徴を分析し、企業のマーケティングや公共団体の政策立案を支援するサービスである。直接の影響は不明だが、サービス拡大の優先順位が下がる可能性がある。

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