第一声から「断定」してみる

子どもの頃、私たちは何に対してももっと自由に好き嫌いやYes/Noを表現していました。それが大人になるにつれて、良い意味でも悪い意味でも「嫌いじゃないけど好きじゃない」といった曖昧さを持つようになります。

そのうちそれさえもなくなり、「どっちでも良い」「何でも良い」と感情が無に近づいていきます。きっと答えをはっきり表現したことで、誰かとぶつかってしまったり、誰かを傷つけた経験があるからでしょう。

曖昧さを持つこと自体は悪いことではありませんが、思考力や言語化能力まで失うのはもったいないですよね。そこで、ぜひ期間限定のお試しでも良いので、「どっちでも良い」「なんでも良い」を言わないキャンペーンを実施することをおすすめします。

その期間だけは「好き嫌い」「Yes/No」と断定することを意識してみましょう。言語化能力を磨くための下準備というイメージですね。ビジネスシーンでは少し躊躇するということであれば、プライベートで実施してみても良いと思います。

写真=iStock.com/nzphotonz
※写真はイメージです

「どっちの色が好き?」と聞かれたら、「どっちでも良い」ではなく「どちらも好きだけど、私はよりこっちが好き」と断定する。ランチを決める時、「何でもいいや」ではなく「今日はオムライスが食べたい」と決めて言い切る。それができるようになったら、ぜひ仕事の場面でも自分の答えをはっきりと断定することにチャレンジしてみましょう。

「どっちでもいい」を言わないキャンペーンで得られるスキル

オンラインコミュニケーションでは、実際に同じ場所にいるわけではない分、グレーゾーンに逃げることができてしまいます。相手もあなたが本音を話していないことに気がつきにくいため、曖昧なコミュニケーションのままなんとなく流されてしまうこともあり得るでしょう。その場しのぎはできたとしても、後々やはり納得がいかないとモヤモヤしてしまう結果になっては意味がありません。

「第一声から断定する」習慣を心がけることで、自分の頭で考えて答えを出すスキル、出した答えを言語化するスキルの両方が身につきますよ。日常には言語化能力を鍛えられるシーンが実はたくさんあります。無駄にすることなく、エネルギーの宿った自分の言葉を大切にしてくださいね。