選手を身近に感じられるからこそ人気番組に成長できた

以前、アメリカ版の司会者を務めるアクバル・グバハビアミラ氏が来日した際に、アメリカでの人気ぶりの理由を聞くと「選手に親近感を抱かせることが『SASUKE』の人気の理由の1つにある」という答えが返ってきた。グバハビアミラ氏のこの持論は、自身がナショナル・フットボール・リーグ(NFL)での選手生活を経て、スポーツキャスターに転身したことから実感するものでもあった。

挑戦中のケイシー・カタンザロ選手(写真提供=©️NBC)

「スポーツは人を夢中にさせ、素晴らしい成績を残すことで感動を与えるが、プロのスポーツ選手は視聴者の日常の生活とはかけ離れた遠い存在にも映る。スポーツ選手がセレブリティ化しているからだ。それに対して『SASUKE』は老若男女が参加できるスポーツ番組として発展し、視聴者とも近い存在にある。だからこそ、人気があるのだと思う」と、グバハビアミラ氏は説明する。

言うなれば、「SASUKE」は参加者も視聴者も国境を超えて共感性を生むスポーツ文化を創り出しているということだ。スポーツを通じて、多文化、多国籍の参加者と視聴者が共感し合えることは今の時代のニーズにもマッチする。「SASUKE」がスポーツ界最高峰の世界の舞台で展開される可能性が出てきた今、日本のバラエティ番組が生んだ価値に改めて気づかされるのはないか。

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