「会話の余白」を意識的につくってパスを出す

実際の会話でも、相手に心地よく聞いて話してもらうために意識したいのが「余白」です。相手があいづちや質問、コメントができるような数秒の「息継ぎタイム」=「会話の余白」を作るのです。

ひとつの文章を話し終えたら、相手の目をチラッと、でも、よーく見てください。それは「あなたの番よ?」という小さな“パス”となります。こうすることで、相手は「ほんとに⁉」「なるほど」といった小さな言葉をはさみやすくなります。そこで「あなたは?」と話を振ってみる。それは、一本のマイクを相手に「はい、どうぞ」と渡すようなイメージです。

「余白か……。自分にできるかな、難しそうだな」と心配になるかもしれませんが、まずは意識していつもより相手の表情を捉えつつ、「間」を作りながら話すだけでいいのです。

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数秒間の沈黙を恐れないことが心の余裕につながる

例えば、自分が話し終えたあと相手に向かって小さくうなずいたり、数秒間の「シーン」を恐れずに、相手が言葉を発するのを笑顔で待ってもいい。そうして作った余白のあとに、「○○さんにも、こういう体験あります?」「○○さんならどうする?」などと話を向けてみる。わかりやすくバトンを受け取った相手は「私の番だ!」と、話を始めてくれます。

会話を盛り上げようと一生懸命あれもこれもとしゃべったつもりが、会話のすべてを自分の言葉で埋めてしまっていませんか? 相手のための余白は残せていますか? 「あなたの話も聞かせて」というサインを出せていますか? 長い時間一緒にいて疲れない人、むしろ、一緒にいたくなる人は、相手のために心地よい「会話の余白」を作れる名人なのです。

ちなみに、しゃかりきに力が入ることも減るので、日ごろの心の余裕にもつながってきますよ。結果、ちょっとやそっとの想定外や、クセのある人にも臨機応変に対応できるようになります。

つい頑張りすぎてしまう人は、相手のために、そして自分のために、まずは「会話の余白」から作ってみてくださいね。