会話の相手から自然に話を引き出すには、どうすればいいか。ラジオDJの秀島史香さんは「自分が話し終えた後には、相手の目を見たり小さくうなずいたりして“パス”を出す。『あなたの話も聞かせてほしい』とサインを出すことが重要だ」という――。
※本稿は、秀島史香『なぜか聴きたくなる人の話し方』(朝日新聞出版)の一部を再編集したものです。
相手に自分の話を聞かせるだけの会話になっていないか
話したいことがいろいろあったり、感情が高ぶっていたりすると、次々と言葉があふれ出して、相手が話している途中なのに、「わかる、私もね、この間!」と勢いよく自分の話にすり替えてしまう……。つい無意識にやってしまってませんか?
相手にしてみれば、「私が話していたのに」とモヤモヤが募り、気持ちがフッと遠くに離れてしまいます。何を言っても、自分の話にすり替えられてしまうと、会話の「聞く」と「話す」のバランスがいびつになり、結果、楽しいはずだったおしゃべりが疲れるものに。ただひたすら相手の話を聞き続けるのもフラストレーションが溜まるものです。
ラジオの場合、「聞いているだけ」なのに不思議と疲れません。リスナーと双方向的な会話をする番組もありますが、ほとんどは出演者だけが一方的に話をしているのに、です。
私自身リスナーとして日々ラジオを愛聴していますが、DJが一方的に話すのを聞いていても、疲れるどころか、むしろリラックスしながら楽しんでいます。
日常生活ではあまりないこの状況、DJの話し方がキモになっています。