「会えてうれしいです」はストレートに伝えたほうがいい

“Nice to meet you!”(お会いできてうれしいです)は、英語のテキストで最初に出てくる「はじめまして」のあいさつです。英語圏の人たちは、初めて会ったとき「あなたと出会えたこと」への喜びを伝えるのが習慣になっています。

一方、日本では初対面のあいさつの「定型文」は「はじめまして」。ただ、この一言では「会えてうれしい」ということは、なかなか伝わりません。

会っていきなり「うれしいです!」と伝えるのもくだけすぎかな……なんて奥ゆかしい気持ちになるかもしれませんが、思い切って最初からストレートに伝えてみてください。

言われたほうは、サプライズで贈りものを受け取ったようで、くすぐったいけれど悪い気はしません。

伝えたほうも、相手のそんな表情にホッとして、互いの緊張も和らぎます。

好意の“先出し”は自己開示となって警戒心をほぐす

私自身が雑誌などの取材を受ける際、終わったあとに、「実は(私の番組を)ずっと聞いていました」と伝えてくれるライターさんもいてうれしくなります。ただ本音としては「わあ、だったら、あの番組についても掘り下げてお話しすればよかった!」と思うのも正直なところ。

照れくさい気持ちもあるかもしれませんが、やはり好意は後出しではなく、先に伝えておく。

先に自己開示しておくことで、30分なり、1時間なり同じ時間を一緒に過ごすにしても、ゼロからスタートしてひとつずつギアを入れていくステップを踏まずに、三段飛ばしでよい印象を持ってもらえることもあります。

仕事柄、初めてお会いした方にお話をうかがう機会が多いのですが、やはり時間が限られています。普段人間関係をゆっくり築いていくのとは違って、会ったばかりで相手のパーソナルな扉をノックすることになるんですね。

そこで、相手に「えっ⁉ 初対面なのに、そこまで聞く?」と身構えさせてしまったり、嫌な気持ちにさせてしまっては、インタビュアーとして失格。

自分だって会ってすぐの人に個人的な質問を重ねられても、そりゃ警戒してしまいます。「この人には、あまり大切な話はできないな」と、表面的な話に留めておきたくなるもの。

ゲストをこういった心理状態にしてしまうと、お互いつらいですし、リスナーにその人のよさを届けられず終わってしまうことになります。

そこで、なるべく早くかつ失礼にならない方法で関係性をあたためるのに“いい仕事”をしてくれるのが、「先出しの好意あいさつ」です。