軽症も含めると、罹患者は推定1000万人以上
この観点からいえば、単純に点眼で対応しているだけでは、視神経障害を抑えることなどできない方が多いのは当たり前です。眼圧の基準でさえいくつもあるのですから、「単純に点眼薬に長い間頼っているだけでは、失明するのが当たり前」だといえます。
先ほども書きましたように、視神経の機械的圧迫が確認された強度近視群では、強度近視にならないようにする治療も緑内障の治療ですし、目の水の流れが悪くなる遠視眼の目では、白内障が緑内障の最も大きな原因です。早めの白内障手術だけで救える緑内障もあるのです。
日本の単純な統計によってさえ、少なくとも600万人以上の患者がいる病気が緑内障です。これは重症の患者数です。しかし、緑内障は軽症から治療することが最も重要です。
この軽症者も数に入れ、さらに高齢化が進んでいることを考えると、日本の緑内障患者数は、1000万人以上はいると思っています。そして、この患者たちが、早期に治療を開始すれば、100歳にわたる人生でも、良い視機能を全うできると思っています。
しょせんは失明への時間を延ばす治療の補助にすぎない点眼薬でも、早期に開始することで、大きな意味を持ちます。早期に発見し、早期に治療することが、緑内障では最も重要なのです。
このためには、皆さんが正しい緑内障の知識を持ち、積極的に「自分で治すんだ」という意思を持って、治療に参加することが重要なのです。あなたの緑内障への意識を変えてください。