大学偏差値が最も高い層は「東京23区内」居住者が多い

配偶者の職業別に見ると、学歴区分を問わず、正規雇用は過半数程度であり、ほとんど変わりませんが、学歴区分Dに関しては、専業主婦の比率が多く、非正規雇用の比率が少ないことが特徴として挙げられます。

世帯の家計負担割合を見ると、学歴区分問わず、男性が世帯全体の80%以上の家計を担っており、学歴区分を問わずほとんどの男性が世帯主であることが指摘できます。

過去に、日本総合研究所が実施した高学歴女性の調査では、大学難易度区分の高い女性グループでも、妻が世帯年収の60%以上を占める世帯は全体の7.7%に過ぎません。女性の場合、大学難易度区分が上がっても、妻が占める年収として、世帯年収の60%以上を占める世帯の割合にほとんど変化が見られません。高学歴な女性ほど共働きの傾向は高まるものの、女性が世帯主になる傾向はグループ間で差がなく、高学歴な女性は、年収の高い男性と結婚している可能性が高いのです。

同調査では、中高年男性の配偶者の学歴までは確認をしていないものの、学区歴区分Dの男性が、A~Cの学歴区分の男性に比べて、家計負担の割合を高く担っている背景には、先に述べた専業主婦比率が相対的に多いことや、年収の高さ、配偶者の学歴の高さ、なども影響している可能性があると推察します。

経済的に恵まれていれば、住まいの選択肢も広がりますが、大学難易度区分が高くなるにしたがって、東京都23区に住む男性が増え、過半数近くが23区内に住んでいることが分かっています(学歴区分A30.6 %、B38.3%、C38.5%、D47.5%)。

 

一方、東京都(23区以外)や、千葉県、埼玉県に住む男性は、大学難易度区分C、B、Aには比較的多いものの、難易度区分が最も高いDなので相対的に最も少ない結果となっています。また、難易度区分Aは東京23区以外にも、神奈川県に住むケースが多いようです。

なぜ、神奈川県に住む決断をしたのでしょうか。大学難易度区分が最も高いDの男性のなかには、「東京23区内に比べて不動産の価格が低い」といった経済的な理由に加えて、「あえて東京から離れて週末の生活を楽しみたい」「子育てをしやすい自然環境が豊かな場所で住みたい」といった志向などから、神奈川県を選んでいる人が一定数いるということなのかもしれません。