2.学歴と幸福度との関連性

職業生活について、高学歴中高年男性全体に対して尋ねたところ、

「これまでの出世・昇進の状況に満足している」(※、以下同)
「報酬水準(給与の他、諸手当、福利厚生全て含む)に満足している」

は約3割にとどまっている。

※「そう思う」、「強くそう思う」

「仕事を通じて自分の能力やスキルが活かせている」

に関しても約4割と半数に達していません。

日本総合研究所の調査では、高学歴中高年男性の自己成長や仕事へのやりがいを求める意欲は高いことが明らかになっており、職場ではその意欲が十分いかされていない可能性があると考えます。副業・兼業やフリーランスをはじめ、活躍の在り方を検討していくことが必要です。

一方、職業生活全般への満足と、私生活全般への満足の結果を大学難易度区分で分析を行うと、A→Dへ高学歴になるに従って幸福度が高くなる傾向がみられています。高学歴な男性ほど、大企業勤めで高い給料をもらい、結婚して充実した私生活を送っている男性や、今までの職業生活においては、出世・昇進や報酬などにおいても、自分の望んだ通りになっている男性が多いのだと推察します。

ただし、今は相対的に幸福感を感じている超高学歴な男性(区分D)であっても、定年後に士気減退したり、地域デビューや居場所づくりの難しさなどの問題に直面したりする人が少なくなく、学歴を問わず、活躍に向けた有効な施策が必要だと考えます。