詐欺被害を遠ざけられるのは身近な人の存在

今のシニア層は精神的にとても若く、アクティブな傾向にある。被害傾向を見ると、アダルトサイトやマッチングアプリなどを利用して被害に遭う例も多い。SNSなどの利用も多く、ネットでの株取引やフリマアプリを使った取引をしている人もいる。

写真=iStock.com/Pornpak Khunatorn
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一方で認知機能が低下して、購入したことを忘れて何度も購入してしまう高齢者もいる。通信販売で決済後も何度も購入ボタンを押して買いすぎるとか、「ネット上でしかキャンセルできないから」という理由でキャンセルを諦めるといった例もある。国民生活センターには、そんな弱みに付け込まれた高齢者のケースが報告されている。

90歳代の曽祖父は、これまで音声通話のみのフィーチャーフォンを利用していたが、電池の調子が悪く、一人で携帯電話ショップに相談に行ったところ、詳細は不明だが、5Gの最新型スマートフォンの契約をさせられていたとわかった。

この地域ではまだ5G回線は使えないし、そもそも曽祖父がインターネットに接続して利用することもない。スマートフォンの機種代金は一括払いしてきたようだが、領収書もなく、契約書をみても詳細はよくわからない。本人は多少判断力に難があるようだが、認知症の診断は受けていない。

このような被害やトラブルを防ぐためには、困った時に家族や周囲の人に相談できる環境を用意しておくことが重要だ。普段から電話や家族のLINEグループでコミュニケーションをとることで、大きな被害になる前に察知することができるだろう。これからは、未成年の子どもだけでなく高齢の親世代も犯罪から守ることが求められる時代なのだ。

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