「いいね」で100円もらい、信じてしまった
今年4月、地方公務員法で禁じられている副業をしていた山口県警の20代男性巡査長が、所属長注意を受けていたと毎日新聞などが報じた。巡査長はSNSの投稿に「いいね」をする副業で数千円を得ていたが、手数料を求められ、手数料が報酬量を上回っていたという。
手口から言っても、副業詐欺で間違いない。警察官まで副業に興味を持つ時代なのだ。
同じように副業詐欺の被害に遭った女子大生は「タスクをこなせばお小遣いが稼げる。SNS時代だから、そういうタスクもニーズがあるんだろうなと思ってしまった」と言う。
依頼されたタスクは、「Instagramの指定された投稿に『いいね』をする」というもの。「いいね」をして連絡したところ、PayPay送金で100円送られてきたので、「やっぱり本当なんだ」と信じた。
「より高収入のタスク」で40万円の被害に
その後、“より高収入のタスク”に誘導された。指定した銀行口座にお金を振り込んだ上、仮想通貨のサイトで言われた通りのタスクをこなせば、2万円の報酬が振り込まれるという。
チームでタスクを行うことになり、指示を受け数名で同じ行動をとらされた。ところが1人がミスをし、連帯責任だからと違約金を求められることに。違約金を支払えば利益を引き出せると言われ、どうしてもお金を取り戻したかった彼女は、消費者金融で借りた40万円を入金。しかしさらに手数料を求められ、ここで初めて詐欺を疑ったという。
これは典型的な副業詐欺だ。信用させるために初めは少しだけ儲けさせ、次のステップに進む。ミスで焦らせて、冷静な判断をできなくさせてからさらに多額のお金を奪うというのは、典型的なパターンだ。稼ぎたいのに、そのために費用が必要と言われたら怪しむべきだ。
「給料だけでは足りないので稼ぎたい」「少しでも楽に稼ぎたい」「スキマ時間で稼ぎたい」と考える人は多いだろう。しかしこのようなラクさを強調した副業は詐欺を疑ったほうがいい。