被害者「生活費がまったく足りなかった」
つまり、「Instagramをフォローまたは投稿に『いいね』で100〜800円」では、明らかに高すぎるのだ。間に紹介者が挟まっていて、末端の自分にそれだけの支払いがあるはずがない。自分が1つの「いいね」やフォローにそれだけ支払うか、それだけ支払う価値があると感じる人が本当にいるのかを考えてみればわかるのではないか。
「送信されるURLのサイト上で商品画面を60回クリックするだけ」も、「動画を見てスクリーンショットを送るだけで数百円」も、明らかに相場から外れた報酬だ。どんな仕組みならこれだけ支払ってビジネスが成り立つというのか。高すぎる報酬には裏がある、うまい話などないというわけだ。
前出の女子大生は、「アルバイトの給料だけでは生活が苦しかった。親も生活が苦しいと言うし、ねだれない。遊びどころか生活費もまったく足りなかった」という。
給料は上がらず、物価高が続き、不安感を煽る情報ばかりが巷にあふれる。投資や副業などで稼がなければという意識が広く蔓延している状態だ。
「副業したい人」は8割もいるが…
Job総研の「2023年 副業・兼業の実態調査」(2023年10月)によると、実際の平均年収額に比べて理想額は198.6万円高かった。生活に余裕はなく、「あと少し収入が上がれば」と考える人が多いことがわかる。
副業経験の有無を聞くと「経験あり」は32.1%にとどまった。一方で、副業をしていない人に副業への興味有無を聞いたところ、83.8%と8割以上が「ある」と回答。副業をしていないが興味はある人に、どのような変化があれば副業ができるかを聞くと、「本業に余裕が出たら」「プライベートの時間に余裕が出たら」などと回答した。