ある女性のSNSを見ていたところ、その女性から連絡が届き、SNSでやりとりをするようになった。その後、女性から「携帯が壊れたので今後はこのサイトで連絡を取りたい」と言われサイトへ誘導された。そのサイトは最初無料で利用できたが、途中から有料になった。女性からは「かかったお金は会った時に返す」と言われたため、女性とのやりとりに必要なポイントの購入を続けた。

その後も文字化け解除等と理由を付けられ、ポイントの購入を繰り返してしまった。同様の手口で別のサイトでもポイントの購入を繰り返してしまい、ポイントの購入代金は合計約370万円となってしまったが、まだその女性に会えない。だまされたと思うので、解約、返金を求めたい。

70代の女性漫画家が7500万円をだまし取られた相手

また、マッチングアプリやSNSなどでの出会いをきっかけとした投資詐欺の相談件数も、コロナ禍で急増中だ。被害者の年齢層は、20代から70代までと幅広く、分別があるはずの大人も多いところが特徴だ。外国人による「国際ロマンス詐欺」は、メッセージのやりとりを重ねて恋愛感情を抱かせた上で荷物やお金を送りたいと提案し、その手数料の支払いを求めるケースが多いようだ。

こうした詐欺では、多くはパイロットや軍籍の弁護士、軍医などの肩書を持ち、外国人の写真を見せるなどして信じさせる。「コロナ禍で入国できない」と言えば信じてしまいやすく、ネット上でやり取りすることで外部からも気づきづらくなる。

レディースコミックの漫画家、井出智香恵さん(74)も被害に遭った一人だ。SNSを通じて出会ったハリウッド俳優のマーク・ラファロを名乗る男と親密になり、約4年間で約7500万円をだまし取られてしまった。

暗闇でパソコンを操作する人
写真=iStock.com/Lincoln Beddoe
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「友人、仕事仲間、家族をも詐欺被害者にしてしまった」

NHKが1月23日に放送したBS1スペシャルでは、Twitterのダイレクトメッセージをきっかけに、妻との離婚が成立するまでに自分の財産を渡したいと井出さんに持ちかけ、手数料などを要求する手口を報じている。相手はやりとりの中で結婚をちらつかせており、典型的な国際ロマンス詐欺だ。

金を持っていく大使館職員の移動費に税関の口利き料、交通事故の手術費用……男の要求はだんだんとエスカレートしていったが、送られてきたマーク・ラファロが話す動画や身分証明書の画像などを信じ込んだ井出さんは応じ続けたという。

井出さんは自身のFacebookで「詐欺にあい、心も生活も辛い状況にいます。でも、それ以上に苦しいのは大切な友人、仕事仲間、家族をも詐欺の被害者にしてしまったことです。私は、偽マークの話を信じ、お金を送り続け、足らなくなると、友人たちから、お金を借りてしまいました。ご迷惑をかけてしまい、心から申し訳ないと思っています」と悲痛な思いをつづっている。