2018年7月には、尾木ママこと尾木直樹さんもサポート詐欺に遭ったことをブログで告白している。被害の状況はこうだ。ワールドカップの決勝戦を見ようとして、アプリにアクセスしたところ、「このパソコンは、ハッキングされました。直ちに以下の電話番号に電話連絡して下さい!」と表示され、電話をかけた。
たどたどしい日本語の外国人女性が出て、セキュリティを入れるためにクレジットカード番号を教えるよう言ってきたが、これは危険と断った。しかし、Amazonカードを購入して裏面の番号を教えるという代替案を出され、2万8000円をだまし取られたというわけだ。警告が出てからAmazonカードの番号を教えるまで実に3時間ほど。後になって疑問に思った家族が電話番号を検索したところ、詐欺の番号だとわかったという。
「今すぐ電話を」と不安を煽られたら詐欺の可能性
国民生活センターによると、このようにプリペイドカード式の電子マネーを購入させ、サポート契約を結ばせ金を支払わせる手口も目立っている。クレジットカード決済や現金振込よりも不正が発覚しにくくするためと考えられており、注意が必要だ。
そもそも表示された電話番号には連絡しないことが大切だ。警告画面が消せない場合は、ブラウザを強制終了するか、パソコンを再起動するといいだろう。
もちろん、遠隔サポートすべてが詐欺ではない。正規のサポートと詐欺を見分けるポイントは、「今すぐ電話をしてください」などと不安を煽っているかどうか。不安を煽られている場合は、電話番号などの連絡先を一度ネットで検索してみるといいだろう。
シニア層は、若年層と比べて情報リテラシー教育を受ける機会が少ない。経験や知識などが乏しいため、現役世代なら常識としてわかっているようなトラブルにも引っかかってしまいがちだ。一方で精神的には大人のため、被害を恥じて隠したり、周囲に相談できないことも少なくない。そうして周囲が気づいた時には被害額が大きくなってしまうのが注意すべき点だ。