もし原価や販管費が抑えられそうだということになったら、おそらく第4四半期にかけて業績が上方修正される可能性が高まってくる。そういう銘柄をどんどん見つけて、どんどんポートフォリオに組み入れていく。

そして、第4四半期の業績発表を待つ。もし、これで第4四半期の業績が好調で通期の決算が上方修正されることになれば、それを好感して株式は買われる。株価は上がる。そして、それ以前にその銘柄を仕込んでおいた僕たちは、静かに売り抜けて利益を確定させる、というわけだ。

情報に関してはプロの投資家のほうが強いところはあるが、プロの投資家が見ていない企業はたくさんある。丹念に拾っていけば、個人でも株式投資で十分なリターンを狙えるはずだ。

株の値動きだけを見て買ってはいけない

個人投資家の悪いところは、株価の動きしか見ていないということだ。株価が上がったからこの会社は良い状態にある、株価が下がったから悪い状態にあるという程度のことしか考えていない。

伊藤潤一『東大生が学んでいる一生役立つ「株」の教科書』(SBクリエイティブ)

この程度の理解だけで投資しては、うまくいかないことも多いと思う。

競馬にたとえれば、馬の情報をまったく持たない状態でダービーに賭けているのと同じことだ。決算説明書は、少なくとも競馬新聞に載っている馬の情報よりは詳しく、その企業が今、置かれている経営環境などに関する情報が載っているので、最初に必ず目を通すことが大切だ。

業績が良いと思って買ったのに実際はイマイチだったという銘柄を買わないためにも、決算書に目を通すこと。そして、「ファンダメンタルズ分析」を使うのが有効だと思う。

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