人の印象はたった「2秒」で決まる

1枚の写真は、文字換算で1000文字相当もの情報があるとされますが、動画は1分間で180万字相当の情報量があるとされます。瞬時に大量の情報を提供できるからこそ、いま多くの企業が動画マーケティングに力を入れ、ブランディングや販促に活用しています。

では、動画より高精細で画角も圧倒的に広い、「人間のリアルの視覚情報」は、瞬時にどれほどの情報を与えるのでしょうか?

アメリカの心理学者、ティモシー・ウィルソンの研究によれば、人は1秒間に両目で1100万以上の信号を受信し、脳が処理しているといいます。そして、人が視覚で相手に抱く印象は、ほんの1、2秒で決まるのだそうです。

確かにいわれてみれば、「おっ、いいな」とか「嫌だな」といった感情は相手を見た瞬間に感じるものであって、その印象を理屈として言葉にしたり、論理的に裏付けたりするのに僕たちは時間をかけているだけなのかもしれません。

まずは、この瞬間的な見た目の印象をよくすることから考えていきましょう。

顔の造形は持って生まれたものですから、大きく変えるのは困難です。それよりも、肌や歯のケア、ヒゲやうぶ毛の処理、ヘアスタイル、そして表情など、努力次第で整えられることを徹底すべきです。

「わたしは笑うのが苦手だから……」という人もいますが、笑顔は表情筋という筋肉の働きでしかないので、そんなところでつまずくのはもったいないことです。苦手とあきらめる前に、鏡の前で笑う練習をして固まった表情をゆるやかにしましょう。

そのための対策は、インターネットで検索すればいくらでも出てきます。

「人から見える自分」を正しく認識するためにやるべき習慣

いまの若い世代の人たちは、スマホで写真をしょっちゅう撮るのでそんなことはないと思いますが、40代以上にもなってくると、「自分の写った写真をしばらく見ていない」という人は多いのではないでしょうか。

毎日、鏡で見ている自分と、写真などの「他者の視点」で見える自分はかなり印象が違うことが多いですよね。最近では、オンライン会議をやってみたらパソコンに映っている自分の表情の悪さに愕然としたという声もよく聞かれます。

実際は、自分が思うほど変でもないし、悪くもないはずですが、見慣れないから自分の想定を下回ってしまい、コンプレックスを感じたり自信をなくしたりしてしまうのです。

自分に自信を持つには、まず「他人から見えている自分」と自分の認識のギャップを埋めていくことが大切です。顔が大きいとか、太っているとか、しわが増えてきたとか……なんらかのコンプレックスがあるにせよ、それも含めて「自分の見られている姿」を正しく認識しましょう。

写真=iStock.com/sunabesyou
※写真はイメージです

そのためにやってほしいのは「自撮り」の習慣です。WEB上に公開する・しないは自由ですが、自分を毎日、写真に撮って見てみましょう。

自分の姿を日々チェックすることで、コンプレックスになっている部分も見慣れていき、それを受け入れることができるかもしれません。それに、他人からすれば、あなたが持っているコンプレックスよりも、表情や清潔感、ファッション、年相応の振る舞いなどのほうが印象や評価に大きく影響します。

自撮りによって「人から見える自分」をチェックして、コンプレックス以外の要素に目を向けるのです。