相手の趣味に余計な口を挟まず、むやみに批評もしない
むしろ趣味に関連して気をつけたいのは「一致するか、しないか」ということではなく、相手の趣味に余計な口を挟んだり、自分には魅力が理解できないからといって不用意に批判したりしないこと──つまりは、相手の趣味を尊重する姿勢である。
たとえば「競馬やパチンコにハマり過ぎてカネを失う」「配偶者に黙って生活費に手を付け、高価なフィギュアを買い集める」「手芸の材料が溢れかえり、リビングや廊下など共有空間にも山と積まれる」「早朝のゴルフに間に合うよう、いつも相手に『起こしてくれ』と要求する(うっかり寝過ごしたら、キレる)」など、家庭全体に迷惑が及んだり、配偶者に無理を強いたりするのは当然論外であり、いくらでも文句を言って構わない。ただ、そうした状況に陥らないのであれば、互いの趣味については「あ、やってるな」とたまに横目で見つつも放置し、鷹揚に構えておくほうが確実にうまくいく。
迷う気持ちがあるなら、まずは一步踏み出してみる
配偶者との良好な関係は、人生の活力になる。日々の暮らしが安定すれば心身も充実して、仕事にも全力で取り組めるようになるし、ちょっとくらい人間関係でトラブルがあっても大きなダメージを受けずに済むはずだ。
「自分はひとりで生きると覚悟を決めている」「以前、結婚(同棲)していたこともあるが、イヤなことばかりでこりごりした。今後、パートナーを持つつもりはない」など、生き方や考え方が人それぞれであることは重々承知している。私も「絶対に結婚せよ!」「結婚しない人は損な人生を送ることになるぞ!」などと脅すつもりはないし、「結婚すれば、みんな幸せになれる!」と手放しで礼賛したいわけでもない。
ただ「どうしようかな」と少しでも迷う気持ちがあるのであれば、ちょっとだけやる気を出して、同棲や結婚を現実的に考えてみてはどうだろう。「幸せや喜びが2倍になりますよ!」などと浮ついたことは言うつもりもないが、「こういう人生の楽しみ方もあったのか」「面倒なこともあるけど、なかなか面白くもあるな」とこれまで知り得なかった世界を見ることができるのは確かだ。
このバカげた世界において、たったひとりでも自分を根っこの部分から理解し、受け入れてくれる人が存在するということは、それだけで大きなよりどころになる。
・理不尽なことばかりのコロナ騒動で疲弊した自分を支えてくれたのは、配偶者だった。改めて「結婚してよかった」と実感できたのは、コロナ騒動における唯一の収穫だ。
・「パートナーと結婚してもいいな」「相手を見つけて、同棲してみようかな」と少しでも考えるのであれば、ぜひ前向きに取り組みたい。共に暮らす人の存在は、あなたをさまざまな場面で支えてくれる。
・ただし、相手を選ぶ際に注意しておきたいポイントはある。とくに「『耐えられないもの・嫌いなもの』のレベルが同じ」かどうかは影響が大きいので、絶対に擦り合わせておきたい。