相手の立場になりきって“体”で感じる
③ 相手の社内で話が通っていない
組織内の風通しが悪いとよく起きます。経営トップと快く合意した場合でも、前向きに話が進んでいる、少なくとも伝わっているという前提で話を進めないほうがいいでしょう。
むしろ話が全く通っていない、ということがよくあるので、かみ合わないことをお互い話すはめになってしまうからです。
④ こちらの社内で話がずれている
実は自分の聞いていた話が間違っていることもよくあります。相手の話を一度聞いてみないと、本当のところはわかりません。
社内できちんと話が伝わっておらず、断片的に伝わっているとか、もっとも大事な前提条件のところだけ抜けているといったことがよくあります。社内の不満分子が話をなし崩しにしようと画策することもしばしば起きます。
これらの状況では、相手の立場になりきって“体”で感じるほうがいいです。百歩譲って、いったん相手の考えのベースを探ります。何かの問題があったかも知れませんし、こちらに落ち度がある場合もあるからです。
そうやって考え方を組み立て直し、どうであれば一致点を見いだせるのか、共感できるのかを考えてみて、そこから再出発します。
「こうだからこうだよね」「こうだったら、ああだよね」と推論する力自体はすべての人に備わっていて、それなりに正しいと思います。
ただそこに主義主張、価値観、利害関係、過去の確執などが絡むと相手とずれてしまいがちです。共感した上で考えられると、意見が一致しない理由を考えようとしますし、結果として、理解、共感しやすくなります。
大切なのは、「話すことは勝ち負けではない」「しっかり話せば、一致点を見いだせる」という考え方です。