泣いてもいい、感じていけない感情はない

こちらが悲しくて泣いているのに「大人なんだからそんなメソメソ泣くなよ!」などと言う人がいます。でも、泣くのは恥ずべきことではありません。悲しい時は我慢せずに泣いてください。

そもそも、大人は泣いてはいけないなどと誰が決めたのでしょうか。楽しかったら笑う、嫌なことがあったら怒ると一緒で悲しかったら泣くことも人間として当たり前の反応です。

感じてはいけない感情なんてありません。なのに、悲しいのに泣くことを許されないというのは、悲しんでいる本人にさらに悲しさを追い打ちするようなものです。自分の気持ちを無理に押し込めていたらいずれ心が壊れてしまいます。

何歳であろうと性別が何であろうと泣いてはいけないなんてことはないんです。

また、悲しいことがあって泣いた後にちょっと気持ちがスッキリしたという経験を持っている人もいるでしょう。これは、涙には自分の心を癒やす機能があるからだと言われています。

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涙には自律神経の乱れを回復させる機能がある

人間の体に備わっている自律神経には、体を興奮させる「交感神経」と、リラックスさせる「副交感神経」があります。普段の生活の中では、両者のバランスが取れている状態になっています。

ですが、何かストレスを受けて悲しい気持ちになると、体は「異常事態だ!」と察知して交感神経が一時的に優位に働くため、両者のバランスが乱れてしまいます。涙にはこの自律神経の乱れを回復させてくれる機能があるんです。

涙を流す時には脳内でセロトニンが多く分泌されます。セロトニンは副交感神経を活発にするため「幸せホルモン」とも呼ばれています。泣くとセロトニンが身体をリラックスさせてくれるので、涙を流した後は心が落ち着くというわけです。

もし泣きたいんだけどどうしても人目が気になってしまうという人は、数分でもいいので誰もいない部屋やトイレに行って泣くというのも一つの手です。

大切なのは泣くことによって周囲からどう思われるかよりも、あなた自身が罪悪感なく素直に涙を流して気持ちを整理させることです。

泣くことは人の体に備わった自分自身を癒やすための大切な機能です。泣いてはいけないなどと思わず、泣きたい時は思いっきり泣いてください。