勝ち負けに固執する人の心理

勝負の世界を見れば、「相撲に勝って勝負に負けた」などという言い方が定着していますし、究極的に言えば「戦争に真の勝者なし」もそういうことですよね。

しかし、世の中には勝負にこだわる人、いわゆる「白黒」をつけたがる人が少なからずいます。

そういう人はほとんど「勝つ」ことにこだわり、「負け」を怖れます。そして往々にして勝てば傲慢になり、負ければ相手をうらんだり憎んだり、といったことになってしまうのです。いずれにしても、穏やかな心は求めようもありません。

同じようなことは、「損」と「得」、「多」と「少」、「善」と「悪」といった対立概念にもいうことができます。その対立、二極に分かれる境目がどこにあるのかを考えてみれば分かると思いますが、それは時代によって変わったり、人によって異なったりするものなのです。

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般若心経が教える「二元化しない生き方」

今「損」だと思っているものが、1年後に「得」になったりするのはよくあること。「正」や「多」や「善」にしても、時代、価値観、地域が変われば簡単に評価がひっくり返ってしまうものばかり。まるでオセロゲームですね。

般若心経は、対立概念の境目で思考停止せずに、「正と誤などの対立概念からは離れたほうがいい。気にしないほうがいい。そう悟りなさい」と説いています。

世渡りの中では、二極化、白黒つける二元論は分かりやすい思考法かもしれません。ただ、それにこだわっていると迷路に入ってしまうことがよくあります。

ものごとを二元化しない生き方のほうが、ずっと楽だよ、と般若心経は教えてくれているのです。