うれしそうに「出張」に出掛けていく夫

【CASE3】出張が反映されない「給与明細」

「夫の本音がわからない」と悩んでいるのはRさん(33歳)。職場で知り合った会社員の夫(33歳)との間に子どもはいないまま、結婚生活を続けて4年がたとうとしている。

Rさんが夫の不倫を疑ったきっかけは、宿泊をともなう出張が増えたことだった。「これまでは、さほど頻繁に出張がある仕事ではなかったにもかかわらず、ここ数カ月で突然、休日出勤や出張が増えた。理由をたずねても『人手不足だから仕方がない』としか言わない割に、うれしそうにいそいそと出掛けていく姿を見て、夫の不倫を確信した」。

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Rさんが、夫にあきれはてている原因は「不倫の隠し方があまりにも雑だから」だという。夫と同じ会社に勤務していたので社則を熟知しているRさんは、休日出勤や宿泊をともなう出張が発生すると、その分は給与に手当がつくこともわかっていた。にもかかわらず、夫が休日出勤や出張をした月の給与明細をチェックしても、それがまったく反映されていないのだった。

「夫は、私のことをだませていると思い込んでいるのか、あるいは開き直っているのか。もしも不倫が本気なら、まだ子どももいないし、離婚という選択もありなのかもしれない。ただ、夫はもともと悪い人ではないので、一時の不倫なら許してもいいという気持ちもある」とRさんは揺れている。

不倫を「隠せない夫」「隠そうとしない夫」

実は「不倫を隠さない夫」には、「隠せない夫」と「隠そうとしない夫」という2パターンが存在している。

前者の「隠せない夫」は、自分が不倫をしていることを妻に隠したいのにスキルと想像力がなくて隠しきれないパターン。このタイプの夫の場合、「妻には隠しておきたい」という気持ちがあるだけ、まだ救いがあるとも考えられる。身勝手な言い分とはいえ、これまで築いた夫婦関係を壊すことは避けたいという本音が透けて見えるからだ。

問題なのは、後者の「隠そうとしない夫」。自分が不倫をしていることを隠そうとせず、「妻に知られてもかまわない」と開き直っているパターンだ。このタイプの夫は、自分の不倫に対し、なんらかの言い訳をつくっているケースも多い。「妻がかまってくれなくなったから」「妻が家事を怠るようになったから」などと妻の落ち度を不倫の理由にする場合も少なくない。