「労働時間短縮で仕事量そのまま」のおかしさ

【佐藤】若いうちは、実力をつけるために残業してガツガツ働くのもいいんですけど、その3~4年間に自分が耐えられるかどうか自信がないです。その期間は仕事量に対してお給料が少ないっていう話も聞くし。あと最近は、労働時間はそんなに長くないけど仕事量は多いっていうケースも増えているみたいですね。それはそれで大変そうだなと思います。

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【原田】濃密度が昔より上がっていたり、みなし残業や持ち帰り残業が増えている可能性があります。常識的に考えると、業務量を減らさずに生産性を上げられる会社はごく一部のはずで、業務量を減らすことで売り上げも下がることを受け入れるのが現実的。日本の「働き方改革」は、かなり無理な精神論が飛び交ってしまっているところがあります。

上司には、頼りがいより度量や器の大きさを求める

【佐藤】若い私たちの意見や考え方を、新鮮だと思ってくれる人がいいです。鼻で笑われるとシュンとしちゃう(笑)。「今の若い子はそういう考え方をするんだね」って受け止め方をしてほしい。OB・OG訪問でもそういう人に会うと、いい人だな、いい会社なんだろうなって思います。頼りがいよりも、受け入れる度量や器の大きさを求めたいですね。

【原田】それは面白いポイントですね。バブル世代の上司は、新人が何か言うと「おぉいいね!」みたいなノリのいい人が多かったんですが、そういう人は仕事のほうもゆるかったりして、部下としては困ることも多かったんですよ(笑)。

【田中】僕は、若くて経験のない新人にもある程度任せてくれる上司がいいですね。インターンをしていた時、細かく指示されたり、単調な業務しか与えられなかったりして面白くなかったので。やりかたは間違えるかもしれないけど、それでも1度は自分のやりたい形でチャレンジさせてほしいです。

【原田】それは難しい問題でもありますね。経験のない若手社員に大きな仕事を全て任せるわけにはいきにくい。で、典型的な昭和の上司にようにパワハラ含みで「俺についてこい」というやり方は、今のZ世代には絶対に合わないし、最近の典型的な上司は何も言わずに任せる人も多いようですが、ともすると放置ぎみにもなりかねないですよね。今の管理職は仕事を任せつつ、かなりきちんとチェックや尻拭いもしないといけないということで、昔の管理職より業務量が明らかに増えているかもしれませんね。

【田中】確かに、昭和上司と今の上司のどちらにもいい面はあると思うんです。だから、どちらの方法もわかった上で、若手の成長や裁量権を気にしてくれる上司が理想的かなと思います。

プライベートでも仲良くしてほしい

【西川】僕は、仕事でもプライベートでも仲良くしてくれる上司がいいです。休日にも連れ出してくれたらうれしいですね。職場でも外でも、友達みたいに接してくれたらモチベーションも上がります。

【原田】まあ、とは言え、飲みの席でお酌させたり、過去の武勇伝を聞かされたり、串の取り外しを強要させたりすると、今の流行曲じゃないけど「うっせえわ」って思われちゃうだろうから、「上下関係のないプライベートな親密な関係」の場を上司は設けないといけなくなっていて、これはこれで中高年世代にとっては大変だろうね。