【野地】じゃあ、1年に1台ぐらいの感じ。

【横山】1年に1台のときもあれば、同じ車に10年乗ったときもあれば、すぐに、買った途端にやめちゃったのもあるし、いろいろかわいそうな思いをさせちゃったクルマもあるんですけど。

【野地】国産車と外車、どっちが多いんですか。

【横山】半々ですかね。

【野地】外車はヨーロッパ、アメリカ。

【横山】アメ車がキャデラック、ムスタング、シボレー、オールズモビル、ヨーロッパ車がフォルクスワーゲン、アルファロメオ、BMWとか、そんな感じですね。

自動車会社の未来は携帯電話のようになる?

【野地】ポルシェはないんですか。

撮影=尾関祐治

【横山】ポルシェがですね、買おう、買おうと思って、いつもなんかやめちゃって。乗りたいんですけどね。

【野地】イギリス車は?

【横山】1956年のクラシックカーで、オースチン・ヒーレー100/4。

【野地】それでミッレ・ミリアに。

【横山】ヒーレーは新しいほうです、ミッレ・ミリアでは。みんな戦前車ばっかりの中で。

【野地】部品とか大変ですよね。

【横山】はい。でも、イギリスは本国にすごくいっぱいアフターパーツがあって、全部揃いました。

【野地】僕はトヨタの工場を河合(満)さんという現場たたき上げの幹部に案内してもらったんですが、ものすごく広い体育館みたいなところに、部品を作る型が全部置いてあるんですよ。もしなんかあったら全部造れるって。あとは協力会社にも型を置いていて。いっぱい自動車を造るというのは大変なんだな、自動車会社ってここまでやんなきゃいけないんだな、と。

【横山】河合さん、この本に出てくる中卒のスゴい方。トヨタ、すばらしいですね。

【野地】新しい自動車会社って、電気自動車をダイソンとかがやるっていうけど、そこまできっとできないと思うんです。

【横山】たぶん携帯電話的な感覚になってくるんでしょうね。

【野地】もう部品なくなったら買い替えてくれ。

【横山】みたいになっていくんでしょうね。アップデートしないと走らせらんなくなったりとか。

自動車工場で働いたことがありまして

【野地】横山さんは自動車工場とか見学に行かれたことあります?

【横山】工場の見学はないですけど、梱包をする仕事はしたことがあります。これライバルの日産で申し訳ないですけど、日産本牧工場で。

【野地】梱包を。

【横山】当時、鷲尾ドライバーズという孫請けみたいな会社で陸送をしていたんです。それで陸送の仕事が薄いときは、工場のラインで手伝えと言われて、部品をひたすらシートにくるんで。まあ2、3回なんで工場で働いていたなんていううちに入らないですけど。