※本稿は、野地秩嘉さんのnote「クレイジーケンバンド横山剣さんが読み解く「トヨタの強さ」|『トヨタ物語』続編執筆にあたって 第11回」の一部を再編集したものです。完全版はこちら。
トヨタは安心感が半端ない
【横山】トヨタはCMがスタイリッシュですね。特にセリカのCMがすごくスタイリッシュで、「食べてしまいたいクルマ」というのがありました。コピーがすごくよくて、「ちょっとうれしいカローラ」とか、「わたしのカローラ」とか、刺さるコピーが今も記憶に残ってます。
【野地】そうした横山さんの心をつかむようなCMを作る裏では、トヨタ生産方式でひたすら地味に……。
【横山】一生懸命、クルマを作っていたんですね。この本を読んでから、改めて当時のCMを見ると、また違った感慨がありますね。
【野地】トヨタの車に乗ってみて、特徴ってありますか。
【横山】そうですね、安心感が半端なくありますね。で、僕はカローラの何でもない、あえてスポーティなやつじゃなくて、デラックスという最もオーソドックスなやつに乗ったんですけど。KE70というカローラです。
ハチロクが断然人気だけど、僕はKE70です
もう加速が素晴らしくて、ほかのクルマに乗れないぐらいイイ感じなんですよ。そのプレーンな感じが逆に色っぽくて好きだったんですけど、とにかく安心感があって。走る、曲がる、止まる、すべてにちょうどいいというか、コンフォタブルというか。で、けっこう速いんです、びっくりしちゃうぐらい。マニュアルだったんですけど。
【野地】KE70っていつ頃ですか。
【横山】昭和56年頃ですかね。
【野地】いわゆるカローラ、みんなが覚えてる。
【横山】ええ。このKE70というのはマニアの間でファンが多くて、それをカスタムしてレースに出てる人とかけっこういるんですね。やっぱりハチロクは断然人気ですけども、僕はKE70がすごい好きで。あとKE30というのもすごくよくて。
外車と交互に乗ってたんですけど、やはり雑なんですね、外車って(笑)。特にイタ車とか、ほんと雑、アメ車とかも。なんかギシギシいったり、どっかしら壊れるというか。それがトヨタの車は、どんな無茶しても、あ、オイル交換するの忘れた! とかあっても、まあ大概、元気よく走るし、ほんとタフですよね。