ファッション通販サイトで月間総合1位に

けれど、炎上すれば炎上するほど問い合わせが舞い込み、次第に売れていく。導入企業のなかには、新卒の応募が3倍に増えた、社員の意識が変わった、など喜びの声が数多く寄せられるようになった。

関谷有三『なぜ、倒産寸前の水道屋がタピオカブームを仕掛け、アパレルでも売れたのか?』(フォレスト出版)

その評判が評判を呼び、どんどんと売れてゆく。テレビにも何度も取り上げられるようになった。個人にも販売してくれと多くの人たちからの要望を受け、ネット販売もはじめた。

大手のファッション通販サイトで17万アイテム中、月間総合1位を獲得するなど、人気は沸騰。そして、コロナ禍においては、毎日洗える感染対策ウェアとして、また、楽に着られて身だしなみもよいテレワークウェアとして、さらに人気に拍車がかかった。百貨店やセレクトショップもこぞって取り扱いをはじめた。

大手航空会社とのコラボ商品も実現し大ヒットとなった。春水堂が入居している全国の商業施設の担当者からも話題を聞きつけ連絡が相次いだ。ルミネ新宿や六本木ヒルズをはじめ、グランフロント大阪、アミュプラザ博多などの日本を代表する商業施設でのポップアップの開催も広がり、想定を遥かに上回る売り上げを叩き出すことができた。

ついには念願だった初の常設店舗の1号店を東京駅直結の八重洲地下街にオープンすることもできた。

出所=『なぜ、倒産寸前の水道屋がタピオカブームを仕掛け、アパレルでも売れたのか?』
東京駅の八重洲地下街にオープンした記念すべき初の直営常設店

導入企業は800社を突破、売上高は前年度比400%超の勢い

初年度の売上高は1億円にも満たなかったが、2期目はその200%を超える売り上げに成長し、さらに3期目である2020年度の売上高は前年の400%を超える勢いだ。WWSを法人で導入している企業は2020年12月時点でなんと800社にのぼる。コロナ禍にあって服の売れないこのご時世。

この異例ともいえる快挙に、アパレル業界のまさに注目の的となった。僕らが掲げるビジョンは「アパレル界のアップルになる」という壮大なものだ。どうせ目指すなら人から笑われるぐらいが丁度いい。アパレル業界はコロナ以前より環境汚染産業といわれ多くの問題を抱えてきた。服を売るために毎年作為的にトレンドが生み出され、大量に服がつくられ大量に廃棄されていく。

コロナがきっかけとなり、着飾るだけの服から様々なシーンで着回せるシンプルで機能的な服が求められるようになった。またSNSで簡単に自己表現できるようになり、ファッションだけが自己表現のための役割でなくなっていった。

水道屋が開発した「WWS」はまさにそんな時代に登場し、これからの時代に求められる服となった。ニューノーマルの象徴となる、あらゆる場面で活躍する「ボーダレスウェア」市場を創造し、日本だけでなく世界標準を目指して挑戦を続けていく。

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