大事なのは結婚後の努力や歩み寄り

友人、仲間、恋人、パートナー、夫婦、親子、職場の人間関係、趣味サークルの仲間など、私たちは多くの人間関係の中で生きていて、それらの人たちと安定した、楽しい人間関係を構築できれば、それはオキシトシン的幸福を増やすことになります。

結婚して、配偶者ができる。そして、子供ができる。配偶者や子供としっかりとしたつながりが構築できれば、それは幸福度のアップにつながります。ただし、夫婦関係が劣悪だったり、夫婦喧嘩が絶えない場合は、それは「ストレス」になるし、オキシトシン的幸福を減らす可能性があります。

「結婚すれば、誰でも幸福になる」とは言えませんが、「結婚し、しっかりとしたつながりが構築できれば、幸せになれる」と言える。結婚した後に、夫婦関係を密にする、つながりを強化する努力や歩み寄りがあって、初めて幸せな夫婦になれるのです。

「愛情」の2つのパターンを把握せよ

「愛」や「愛情」には、2パターンあります。これを区別して考えると、恋愛関係をものすごく円滑に進めることができます。愛、愛情に関する脳内物質は、ドーパミンとオキシトシンです。つまり、「ドーパミン的愛情」と「オキシトシン的愛情」の2つの愛情があるのです。

「ドーパミン的愛情」は、熱愛、情熱的な愛。高揚感、興奮、ドキドキ感がある。「もっと会いたい」「もっと愛してほしい」と、相手に「もっと」を求める。いわば、「求める愛」です。一方、「オキシトシン的愛情」は、友愛、慈愛といった愛情で、リラックス、安らぎ、安心感、信頼感をもたらしてくれます。一緒にいるだけで十分という満足感、満たされる愛です。

「ドーパミン的愛情」の典型的な例は、付き合い始めたばかりのラブラブなカップルです。「オキシトシン的愛情」は、30年、40年とつれ添っている仲のいい老夫婦のイメージです。つまり、付き合い始めは「ドーパミン的愛情」がメインの「情熱的な愛」からスタートしますが、それが「オキシトシン的愛情」に置き換わっていくことで、「永続的な愛」になるのです。

結論として、「ドーパミン的愛情」を「オキシトシン的愛情」に置き換えていくことによって、末永く続く安定した夫婦関係が得られると言えます。