「質」は「量」からしか生まれない

その時に使って欲しい考え方が「量質転換」という概念です。これは文字通り「質」は「量」からしか生まれないという意味です。

この話をする時、例え話としてよく用いられるのが、日本人なら英会話の習得の方法。英語が母国語でない日本人がマスターするためには、英語に触れる延べ時間が1000時間必要と言われています。この1000時間を閾値いきちと読んだりしますが、英会話の教材などはこの閾値を目安に作られています。

経験された方もいるかもしれませんが、英語の習得というのは、その学習のために費やした延べ時間と上達が正比例しません。それが、閾値の1000時間を超えた瞬間にいきなり、英語がクリアに聞けるようになり、ベラベラと話せるようになるという話です。

スポーツや楽器の演奏も、ある一定のレベル(質)になるには閾値的な練習の量が不可欠という意味で同じではないでしょうか。

まさにこれは仕事も一緒ですので、こうした話で基本的な仕事やルーティンの重要さを諭すようにしましょう。

「3人のレンガ職人」が教えてくれること

また、こうした新人や若手社員にはそもそも「仕事とはどういうものか」を伝えて欲しいと思います。その時、よく使われるのが「3人のレンガ職人(石工)」の話です。

簡単に紹介しておくと、旅人がある現場でレンガを積んでいる職人に声をかけるところから話が始まります。

「今、何をされているのですか?」
「何? 見りゃ分かるだろ、レンガを積んでるだよ。雨の日も風の日も。腰は痛いし、手はこんなになっちまったよ」

職人はひび割れて汚れた両手を開いて見せました。

写真=iStock.com/Bogdanhoda
※写真はイメージです

旅人は簡単にお礼を言って歩き始め、角を曲がって、また同じ現場の別な人に声をかけました。

「今、何をされているのですか?」
「私ですか? 大きな壁をつくっているのです」
「大変ですね」
「いえいえ、この仕事で家族を養っていくことができるので、全然大変ではないですよ」

旅人は礼を言って、また歩き始めます。

そして、また別な職人に声をかけます。

「今、何をされているのですか?」
「これですか、今、私は教会の大聖堂を作っているのです」

仕事のやりがいは、自ら発見・創造するもの

さて、この3人の職人、まったく同じ作業をしているにもかかわらず、

1人目は、単にレンガを積んでいる、

2人目は、家族のために働いている、

3人目は、200年後、300年後も地域の人の憩いの場となる教会の大聖堂を作っていると、バラバラな思いでレンガを積んでいました。

同じ仕事でもやりがいを感じてやる人とそうでない人が存在することを示しています。

同時に、このエピソードは仕事のやりがいは自ら発見・創造するものだということを教えてくれますが、そうした人に信頼が集まるということも部下や新人に伝えていって欲しいと思います。

「自分で考え、動く」を引き出す言い方
「一番、バットの素振りをしているのがプロ野球のバッターだよね。イチローだってストレッチに1時間もかけたのと一緒で、自分たちの仕事も一見すると地味な基本的な作業、ルーティン業務の先に価値を生み出す仕事があるということを忘れないようにしよう」
⇒基本的な仕事、ルーティンの繰り返しには、どういう意味があるのかを説明する
関連記事
「それは聞いていない」と逆ギレする人を黙らせる天才的フレーズ
「お金が貯まらない人の玄関先でよく見かける」1億円貯まる人は絶対に置かない"あるもの"
「仕事やお金を失ってもやめられない」性欲の強さと関係なく発症する"セックス依存症"の怖さ
会議で重箱の隅つつく「めんどくさい人」を一発で黙らせる天才的な質問
子どもに月経や射精について話すときに「絶対使ってはいけない言葉」2つ