「ポジティブに考えよう」では単純すぎる

こうした新人を先輩や上司として担当することになったら、まずは気持ちを切り替えてもらいたいはずです。

が、「ポジティブ考えよう」では単純すぎて、効果は出ません。

その時にお勧めなのが「陽転思考」です。

「陽転志向」とは、何か自分にとって良くないことが起こった時、そのネガティブな事態の前に「せっかく」という言葉をつけて、その後に続く言葉を考えさせる方法です。

たとえば、てっきり東京本社の配属と思っていたのに、関西支社の配属になってしまった場合は、「せっかく関西支社の配属になったのだから~」の「~」を考えさせるのです。

「せっかく」から始まりますから、ポジティブなことしか思い浮かばないはずです。

「前向きなことを考えてみようよ」と促すよりはるかに効果的です。

たこ焼き
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「せっかく」の一言で、負の感情が一掃される

せっかく関西支社に配属になったのだから、「週末は京都を観光しつくそう」とか「大阪、神戸のB級グルメを食べつくそう」といったワクワクするポジティブなことが考えられると、負の感情は一掃されます。

「せっかくアプリケーション開発の部門に配属になったのだから、インフラもアプリケーションも両方分かる技術者になろう」

と思えればしめたものですが、このケースではアプリケーション開発で経験したことが将来インフラの分野でも活かせるということを具体的に語ってあげるのもいいでしょう。

「アプリ経験者がいると助かる」というのは、インフラ部門の生の声です。

最初に配属された部門で得られるメリットを具体的に伝えるのもいいし、本人に考えさせるのもいいし、ロールモデルになるような人がいれば、その人のエピソードを紹介するのも効果的です。