春は異動の時期だ。不本意な配属先に行くことになった人のモチベーションを上げるには、どんな声かけが望ましいのか。営業コンサルタントの大塚寿氏は「『ポジティブに考えよう』では言葉不足だ。自ら動く部下を育てる話し方にはコツがある」という――。

※本稿は、大塚寿『自分で考えて動く部下が育つすごい質問30』(青春新書インテリジェンス)の一部を再編集したものです。

大阪・道頓堀
写真=iStock.com/FilippoBacci
※写真はイメージです

 「なぜ自分だけが」と、モチベーションが低下

【こんな部下に】希望の仕事、配属先ではない人
できる人ほどつい出ちゃう残念な言い方
「ポジティブに考えよう!」

⇒「ポジティブになれない」から困っているのに……

希望と不安の双方の気持ちを抱いて新人は入社してくるものですが、その希望が損なわれた時、モチベーションは著しく低下してしまうものです。

その最初の関門が配属先の発表です。

希望していない地域への配属、希望していない部門への配属など、研修後の配属の発表では悲喜こもごものドラマが生まれます。

中でも多いのが配属される地域の問題。関東の生まれで、東京の大学を出ているのに関西支社(大阪)などに配属になってしまうケースです。

入社したのが自分一人で、関西の配属になった場合にはそれほどでもないのですが、問題はほとんどが東京本社に配属される場合です。

他との比較の中で「なんで自分だけが……」というやるせない思いが募ってモチベーションを下げてしまいます。

明確な希望を持っている新人ほど落胆する

また、こうした配属される地域ではなく、部署に関しても同様のことが起こります。

たとえば、花形の企画部門を希望していたのに、営業部門の配属になってしまったり、インフラ部門を希望していたのに、アプリケーション開発の部門の配属になってしまったりする場合です。

明確な希望を持っていればいるほど、その希望がかなわなかった時、新人は落胆し、人によってはモチベーションを落としてしまいます。

実際、それが原因となって1年以内に会社を辞めてしまう新人は、昔からいましたが、年々漸増傾向にあります。