人の話を聞き続けていたら、本が読めるようになった
とにかく自分は、聞かないと学べなかった。人の話から学ぶことは大きい。それが僕の基本スタンスになった。本よりも人から聞いて学ぶこと、これがインプットとして重要だった。
でも、そうやって教えてもらえる時間はそう長くない。いつまでも何もできず、人に聞いてばかりだと相手にされなくなる。もっと教えてもらうためには、自分にできることで貢献しなければならない、ということにも気づいた(どうやって貢献するのかについては後で詳しく話そう)。
おもしろいもので、人の話を聴き続けているうちに、しだいに本からも学べるようになった。それと同時に、20代の僕が本から学べなかった理由にも気づいた。
僕が本から学べなかったのは、その内容を文字通り「インプット」しようとしていたからだ。理解して、頭に入れたい。なんなら覚えよう、なんて考えていたからだ。
大学に入るまでの勉強、受験勉強なら、これでなんとかなる。実際、僕はすべての科目を「暗記」して受験を乗り切った。数学でさえ、「いい問題と解答」を300個くらいまる覚えしていたくらいだ。
でも、社会に出たら丸暗記ではどうにもならないのは当たり前。本を読んでも、何も頭に残らなかったのも無理はない。
読みながら「対話」をする
本から学ぶというのは、内容を覚えることではない。読みながら、「え、そこはそうくるの?」「なるほど、でも、俺は違うんだよね」「そうそうそう、わかる!」……という具合に、本と対話することだ。本の内容をそのまま頭に入れるのではなく、主体的に自分と関連付けていくことだ。自分で選んだものだから、頭に残る。現実の問題解決の役に立てることもできる。
人と対話しながら学ぶことを通じて、僕は本からも学べるようになった。
アウトプットをするために、まずはインプットをしなければいけない。それは正しい。
けれども、あなたはむやみに情報を頭に入れようとはしていないだろうか?
学びの対象が、本やメディアに偏っていないだろうか?
身のまわりにいる人たちから、「聴く」ことができているだろうか?