独演会中止。まだまだ続く、受難のとき
またもや発出された「緊急事態宣言」であります。
「20時以降の飲食は控える」ということで、私の職種は飲食関係ではありませんが、あおりを食らうというか、一般のお客さまの心模様として「夜中に外出する」というムードにはならず、来客の増加も見込めない可能性が高くなり、1月13日に予定しておりました「第15回立川談慶国立演芸場独演会」は中止とさせていただきました。
まだまだ落語家受難の時期であります。
何がしたい? 不安をあおるだけのマスコミ報道
さて。
前回の時とは違って今回は緩やかな措置が多い緊急事態宣言でありますが、どうにも解せないのがマスコミ各社の報道です。
前回ほど厳しくないのですから、前回より人出は多くなるのは当然で子どもでも想像できるはずなのに、「以前に比べたら人出が増えている」→「気の緩み」という結論を導き出そうという姿勢にとても違和感を覚えています。
これで、逆に人出が少なくなったとしたら、今度は飲食店関係者に「景気はますます悪くなる」という答えありきのインタビューでもするのでしょう。一体何をどうしたいのかと、首をかしげたくなるものですなあ。どちらに転んでも「不安」をあおるだけのような気がします。
そもそも「人出が多い=気が緩んでいる」という考え方はとても短絡的ではないでしょうか。夜の繁華街や休日の行楽地に向かう人の中には、遊ぶのではなく働くためにコロナ対策を万全にして向かう人だっているはずです。エッセンシャルワーカーを含めてリモート化できない職種の人たちのことを思い浮かべてみるべきです。
テレビ番組で、「ターミナル駅に向かう人の流れの映像」を流した後に、「気が緩んでいる」という発言をしたコメンテーターさんがいましたが、ご自身を乗せて自宅と局とを往復するタクシーの運転手さんも、その中の一人なのかもしれないと思うべきではないでしょうか。
兎にも角にも、新型コロナウイルスは確かに肉体的に怖い疫病ではありますが、精神的にも、かような形で社会を分断させてしまっているという意味においては非常に厄介な存在であります。