炭水化物のみの食事では集中力を持続できない
テレビのCMで、「おいしいものは、脂肪と糖でできている」というフレーズがありましたが、まさに……ねえ~と、思わず感心してしまいました。
もし、その日の元気とパフォーマンスを途切れず発揮しようと思うなら、精製された炭水化物のみの食事や、甘いものは避けたほうがいいでしょう。
一気に上がった血糖値は、一気に下がる。食後すぐに眠たくなったり、いざ集中モードに入ると体がだるくなるなどの低血糖症状を引き起こします。
たとえば、昼食をうどん、ラーメンなどの麺だけランチや、丼ものランチなどにしたとき、デスクについた途端にあくびが出た経験はないでしょうか。
そして午後2時くらいには眠くてしかたなくなり、3時になると甘いものがほしくなり……というのは、典型的な低血糖症状のサインです。
このようなときは集中力が続かず、パフォーマンスも維持できません。
また、糖をエネルギーに変える過程で、脳の働きに欠かすことのできないビタミンB群も多量に代謝に使われてしまいますから、脳力を発揮したいときは、要注意です。
もちろん、一切甘いものを食べないということは難しいかもしれませんが、食べる前に、考える。甘いものを食べたくなったときほど、脳のために甘いものを避ける工夫をするとよいでしょう。
私は、厳しいようですが、「糖質のコントロールは脳力のコントロール」「空腹の一口でパフォーマンスの質が変わる」といっています。
忙しいとき、頭を使うとき、甘いものより、ナッツのような硬いものやキシリトールのガムなどが、おすすめです。
糖質オフより、糖質チョイス
カロリー神話というものが、あります。たとえば、肥満の人も、糖尿病の人も、低カロリーの食事がいい、というもの。
もちろん、1日のカロリーが多すぎるのは問題ですが、いちばん重要なのは、「カロリーコントロール」より「血糖コントロール」です。
だからといって、なんでも糖質オフがいいかというと、そうともいいきれません。
私はかつて、炭水化物を一切摂らない10年間をすごしたことがありますが、そうすると体内のタンパク質がエネルギーとして使われるため、筋肉量がキープできなくなりました。そこから、「オフよりチョイス」と考えたのです。そもそも、水を抜いた食物中の成分は60%以上が糖質なので、あえて甘いものを摂らなくても充分な糖質は摂れるのです。お肉も野菜もよく嚙むと甘みが感じられますよね。
最近は、空前の糖質オフブームで、飲料水、アルコール、調味料をはじめ、食べものもいろいろ出ていますから、きっと多くの人が迷うだろうなと感じてきました。ここで伝えたいのは、糖の質のこだわりなのです。