ダイエットを成功させるには、食事で何に気を付ければいいのか。分子整合栄養学に詳しい佐藤智春氏は「糖の吸収をコントロールし、血糖値の乱高下を防ぐことが大切だ。例えば、白米よりチャーハンを選んだほうがいい」という――。

※本稿は佐藤智春『男は食事で出世させなさい』(ポプラ社)の一部を再編集したものです。

スパゲッティ
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糖質がさまざまな不調の引き金になる

5大栄養素のひとつである「糖質」は、私たちの健康に不可欠な栄養素。

食べ物に含まれる糖質は、体内で消化、吸収されて、生命活動のエネルギー源になり、とくに脳が働くために重要なエネルギー源になります。

しかし、体に溜め込むことができない栄養素のため、体内で糖質が占める割合は、わずか1%なのです。

栄養医学に出会って、タンパク質の重要性の次にびっくりしたのが、糖質の摂りすぎは「悪」になるということでした。人体とは反対に、食物成分には糖質の割合が多い。そのことを知ってから、この20年、糖質制限を意識することが習慣になりました。

最近では、あちらこちらで糖質制限が叫ばれるようになってきました。糖質の摂りすぎで起こるさまざまな疾患が明らかになってきたからです。

たとえば、

・インスリンの過剰分泌で起こる、低血糖症状
・血糖値の乱高下で起こるメンタルダウンや精神神経症状
・体内のビタミン類を消耗させ、栄養素を欠乏させる
・ミネラル、とくにカルシウムが阻害され、骨や歯がもろくなる
・腸内細菌のバランスがわるくなる
・肥満、内臓脂肪、脂肪肝、糖尿病のリスクにつながる

まだまだ書ききれないほど、糖質が不調の引き金になるのですから、摂りすぎはほんとうに怖いのです。

糖の摂取は血糖値の乱高下に直結する

ごはん、麺、パンやイモ類、果物、スイーツなど、糖質たっぷりの食べものは、美味しいですよね。おまけに、幸せを感じるので、コントロールするのは大変。しかもこのような食品は世の中にあふれています。糖質制限が取り沙汰されるようになったいまでも、頭を使う仕事やストレスがあるときには、甘いものを食べるのがよいと思い込んでいる人は多いでしょう。

たしかに、脳のエネルギーとして糖は必要です。ほかの栄養素はとても複雑な消化吸収を経て各器官に運ばれるのにくらべ、糖はブドウ糖として吸収され、脳にフリーパスで届けられます。だから、瞬時に元気になった気になるのです。しかし、これが血糖値の乱高下に直結するため、そのあとには大きな代償が待っているということを、ぜひ覚えておいてください。